国内 2011.11.29

関東学大WTB小林 リーグトライ王「コンタクトを8〜9割避けてトライに」

関東学大WTB小林 リーグトライ王「コンタクトを8〜9割避けてトライに」

 今季の関東大学リーグ戦1部のトライ王が関東学大WTB小林直哉に決まった。身長166センチ、体重70キロと国内大学トップレベルにあっては小柄だが、50メートル5.9秒の俊足を長所に全7試合でトライを挙げた。合計15回、ゴールラインを駆け抜けた。
 幼少期、父の仕事の都合で滞在していた香港でラグビーを始めた。その時の年齢や所属チーム名などについて本人の記憶は不確かだが、当時の香港は英国領だったこともあり、緑の芝の上で白人選手とプレーしていた。その場には元ニュージーランド代表WTBジョナ・ロムーが訪問したこともあるという。小学2年で帰国し多摩ラグビースクール入り。中3から身長の伸びが「ミリ単位」程度になるも、向上高2年時にSOからWTBにコンバートされ活躍。高校の先輩で尊敬する笹倉康誉(現パナソニックCTB)が入学したことを受け、関東学大に進んだ。
 大学では体格面から「限界と思ったこともあった」が、「誰からだったか忘れましたけど…小さいからしゅるしゅると抜けていくねと言われた」ために吹っ切れ、2年時から体幹、俊敏性の強化に集中して取り組んだ。11月25日発売の『ラグビーマガジン』の取材では、「(体重を)重くすると走れなくなって、走れる体重にすると当たり負けてしまう。(そこで)当たらずに抜いていくために走り込み、スピードトレーニングをしている」と語り、今季リーグ戦の終盤戦では「コンタクトを8〜9割避けて、トライに繋がった」としている。
 現在4年生も、卒業後の進路は未定。「なるべく(ラグビーを)続けたいけど、どこからも声がかかっていない」。ブレイクした今季は、各チームのリクルーターの目が3年以下の選手に移っているのでは、と見ている。「色々な選択肢を考えているが、今はシーズンに集中したい」。12月18日開幕の大学選手権に向けては「僕が1年の時から1回戦で敗退している。上を見すぎず1つずつやりたい(勝ちたい)」としながら、その先の大学日本一も見据えていた。


(文・向 風見也)


 

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