各国代表 2023.06.02

「2027豪州ワールドカップ」目指すアジアの戦いが始まる

[ 見明亨徳 ]
「2027豪州ワールドカップ」目指すアジアの戦いが始まる
2027ワールドカップ出場へ強化の第一歩、韓国男子代表(写真提供:大韓ラグビー協会)


 今年9月に始まる「ラグビーワールドカップ2023フランス大会」。本大会にはアジアから前回ベスト8の日本代表のみが出場する。アジア予選を兼ねた昨年の「アジアラグビーチャンピオンシップ(以下ARC)」優勝の香港代表は、トンガ代表とのアジア・パシフィックプレーオフに敗れ、世界最終予選でも涙を飲んだ。

 次回は2027年、オーストラリアで開催される。アジア予選詳細は未定だが、すでに「ワールドカップ出場を目標とする」を掲げた韓国、香港、マレーシアの3か国代表が競う「ARC2023」が6月3日に開幕する。3チームが1試合ずつ総当たりで戦う。3日はマレーシアのホームで韓国戦。10日と17日が香港ホームでマレーシア、韓国戦を予定している。

 初戦に臨む韓国。コーチ陣にトップリーグ、リーグワンでプレー、指導する経験者を招集した。李明根ヘッドコーチ(イ・ミョングン、元クボタスピアーズSH)、臨時で劉永男(ユ・ヨンナム、埼玉パナソニックワイルドナイツ 現アドバイザー、ラインアウトコーチ)、高麗大コーチ金光植(キム・ガンシク、元ホンダヒートPR)、束ねるのが元NTTドコモレッドハリケーンズスタッフで大阪朝鮮高監督を務めた呉英吉(オ・ヨンギル)大韓協会理事だ。S&Cコーチとして最新理論、器具などを韓国ラグビー界に採り入れている南暢洙(ナム・チャンス)氏もNECグリーンロケッツで経験を積んだ。

ラインアウトでスロワーもできるPRチェ・ホヨン(左から2人目の赤色ジャージー/撮影:見明亨徳)

 選手は5月中旬までおこなわれた「2023コリアスーパーリーグ」を経てFW13名、BK10名が選ばれた。昨年から11名が替わり若手が起用されている。
 PRでは高麗大チェ・ホヨンにLOシン・ダヒョン(韓国電力)、NO8はリーグ戦でブレークダウン時にジャッカルを繰り返し披露した軍体育部隊(尚武)の朴ウビン、高麗大ファン・ジョンウク。FLは昨年もスキッパーを務めたノ・オクギ(韓国電力)が選ばれた。セットプレー、特にラインアウトにワイルドナイツの躍進を支えてきた劉コーチの最新理論がどういかされるか楽しみだ。

ジャッカルの名手NO8朴ウビン(右から2人目/撮影:見明亨徳)
韓国代表2年目を迎えたNTTドコモCTB金勇輝(撮影:見明亨徳)

 BK陣もこれまで7人制、15人制を引っ張ってきたSH朴ワンヨン(韓国電力)が代表を引退した。後継者の李ゴンとSO金ギミンという韓国電力ハーフ団が選出。さらに尚武SH金ファンソク、高麗大CTBホ・ドン、慶煕大FBチャン・ヒョングも。CTBには唯一在日選手でNTTドコモレッドハリケーンズ大阪所属の金勇輝(キム・ヨンヒ)が加わった。トライゲッターは7人制、15人制で貴重な存在、元日野レッドドルフィンズのWTBチョン・ヨンシクと元NTTコミュニケーションズシャイニングアークスのチャン・ヨンフン、さらにチャン・ジョンミンの韓国電力勢だ。また明錫高(ミョンソク)から延世大、尚武と順調に成長してきたWTB金ウィデも初の代表切符をつかんだ。

高校・大学・尚武と順調に成長するWTB金ウィデ。トライを取り切るランで初代表へ(撮影:見明亨徳)

 初戦、6月3日のキックオフは現地時間14時(日本時間15時)、アジアラグビーユニオンのYouTubeチャンネルでライブ中継される予定。
https://www.youtube.com/watch?v=5tbNoNnl__o

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