【日本代表】木田、長田ら若手は、「レベルが高くなればなるほどいいプレーをした」と評価。レメキの気持ちは、チームに好影響を与える。
リーグワンの戦いは終わった。
しかし、ワールドカップ(以下、W杯)メンバーに近づいた選手たちは、6月に入れば、さらに競争の中に身を置くことになる。
5月24日の午前10時に発表された日本代表36人と日本代表候補10人は、6月12日から同30日まで続く浦安合宿で鍛えられ、競争し、その中で絞り込まれる予定だ。
7月3日から1か月続く合宿は、より厳選された日本代表選手でおこない、国際試合を経て、最終スコッドへと進んでいく。
藤井雄一郎ナショナルチームディレクター(以下、ND)は、発表した代表および代表候補メンバーについて、「若い選手も含め、シーズンを通して一貫したパフォーマンスを発揮した選手たちを選んだ」と話した。
ピーター・ラブスカフニ、ベン・ガンターやテビタ・タタフなど、実績のあるFW第3列が代表候補なのは、ケガからの復帰途中にあるためだ。
浦安合宿を経て、現在の代表と代表候補の入れ替えが起こることもあり、宮崎合宿は36人前後の選手たちでおこなわれることになりそうだ。
7月、8月に、オールブラックスXVとの2試合と、サモア、トンガ、フィジーとのテストマッチが国内で予定されている。
初戦となる7月8日のオールブラックスXV戦(秩父宮)は「合宿の中に試合があるような位置付け」(藤井氏)で、調整なしの状況で戦う。
合宿では、「選手たちをナショナルレベルに引き上げる」(藤井ND)ための、ハードな練習が繰り返される。
ハイタックルなどによる一枚のカードで、勝負が決することも少なくない。
藤井NDは、「コリジョンの部分をあらためて強化するためにタックル専門のコーチに来てもらう」と話した。
ラグビー・リーグからの招聘を予定している。
FWについては、セットプレーを重要視したセレクションとなった。藤井NDは、「特にイングランドはそこから崩してくる」と読む。
ラインアウトが安定しなければアタックオプションも減るため、バックローはサイズも考慮しての選出だ。
横浜キヤノンイーグルスのシオネ・ハラシリは、シーズン中はバックローでプレーしていたがPRでの選出となった。180センチの高さでは、ラインアウト時の武器にはなりづらい。
藤井NDは、PRの座を掴み取ることを期待している。
初選出のアマト・ファカタヴァ(LO・FL/B R東京)は、シーズン中のパフォーマンスに加え、195センチ、118キロのサイズに期待がかかる。
2019年大会で働いたLOジェームス・ムーア(浦安DR)も、高さ、運動量を兼ね備えている。
BKは、複数ポジションを高いレベルでカバーできる選手がチャンスをつかんだ。 FB /SOの小倉順平(横浜E)は、その顕著な例だ。
SH福田健太(トヨタV)は、代表首脳の求めるスピードを持っていると評価された。
CTB長田智希(埼玉WK)、WTB木田晴斗(S東京ベイ)はリーグワンのプレーオフでのプレーからも伝わるように、「(戦いの)レベルが上がれば上がるほどパフォーマンスも良くなった。そして若い」点が選出理由となったようだ。
代表活動から遠ざかっていたWTBレメキ ロマノ ラヴァ(GR東葛)も代表候補に入った。
「パフォーマンスがよかったことはもちろん、彼が試合に出ようとする姿勢やリーダーシップは、チームのプラスになると判断した」と藤井ND。
ケガでスコッド招集がならなかった選手もいれば、自ら辞退した選手もいたそうだ。
W杯まで、残り約100日。今回発表された46人の争いが激しさを増すほど、日本代表のレベルも高くなる。