海外 2014.07.14

豪州で注目集まるゲイラグビー。 勇者の魂胸に、来月ビンガムカップ

豪州で注目集まるゲイラグビー。 勇者の魂胸に、来月ビンガムカップ

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シドニーコンビクツ×マッコリー大学クラブの試合(撮影:YASU TAKAHASHI)

 スーパーラグビーのワラターズ×ハイランダーズ戦がおこなわれた、7月6日のシドニー。同試合のカーテンレイザー(前座試合)として、シドニーコンビクツ×マッコリー大学クラブもおこなわれた。
 このコンビクツは、世界でもっとも成功していると言われているゲイチーム(選手たちはカミングアウトしている)だ。シドニーユニやランドウィックなど強豪の所属するプレミアシップコンペティションではなく、サバーバンラグビーコンペティションのディヴィジョン4(4部)に所属し、現在8チーム中6位。この日の試合は彼らにとっての公式戦で、コンビクツは前半に先制トライを奪って序盤から優位に戦うと、そのまま終始リードを守りきり、30-12で快勝した。

 来月(8月29〜31日)にはコンビクツがホストとなり、シドニーでゲイラグビーのワールドカップが開催される予定だ。同ワールドカップは2002年に第1回大会が開かれ、2年ごとに開催。今回で第7回大会となる。
 コンビクツは過去6回の大会で優勝3回(2006年、2008年、2012年)、準優勝1回(2010年)という成績を残し、その実績が、「世界で最も成功を収めているゲイラグビークラブ」と呼ばれている理由。今大会は初の自国開催であり、連覇の期待がかかっている。

 このワールドカップはビンガムカップ(Bingham Cup)と呼ばれ、ゲイラグビーを発展させた第一人者であるマーク・ビンガムというアメリカのゲイラグビー選手の名前に由来している。ビンガム氏は2001年9月11日、アメリカ同時多発テロにおいて、ハイジャックされた旅客機(UA93)に搭乗していたため、命を落とした。しかしビンガム氏はテロリストと機内で戦い、ワシントンDC(ホワイトハウス)に向かっていた同機を市街地ではないエリアに墜落させ、被害を最小限にとどめることになった。その勇敢な行動は語り続けられ、大会には彼の功績を称える気持ちが詰まっている。

(文:YASU TAKAHASHI)

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試合後、爽やかな笑顔を見せるシドニーコンビクツの選手たち(撮影:YASU TAKAHASHI)

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