国内 2023.01.13

帝京大→スピアーズの二村莞司は日本代表入り目指す。「ハードワークは絶対」

[ 向 風見也 ]
帝京大→スピアーズの二村莞司は日本代表入り目指す。「ハードワークは絶対」
第59回全国大学ラグビー選手権大会決勝で奮闘した帝京大の二村莞司(撮影:松本かおり)


 チャンピオンチームからの参戦だ。

 旧トップリーグ時代から2季連続で新人賞に輝く選手を輩出してきたクボタスピアーズ船橋・東京ベイは、1月9日、新入団選手を発表した。

 大学選手権2連覇を果たした帝京大からは、二村莞司が加わった。
 
 8日には東京・国立競技場で、早大との選手権決勝に13番で先発していた。

 早大に73-20で快勝し、「4年間、頑張ってよかったなぁって。すごく嬉しく思います」。新たなステージでの活躍も誓った。

「代表を狙える選手になりたいです。まず、外国人に負けないよう身体を作る。そしてスキルレベルを上げる。それができたら余裕が出て、いい状況判断ができるようになる」

 身長180センチ、体重87キロ。京都成章高ではスピード自慢のWTB、FBとして活躍した。最終学年時にはブレノスアイレスでのユースオリンピックに出る男子セブンズユース日本代表(7人制)、年度末に海外遠征をおこなう高校日本代表(15人制)に選ばれた。

 2017年度まで大学選手権9連覇の帝京大に入ったのは、「日本一に一番、近い大学」に行きたかったからだ。
 
 厳しい現実に出くわした。1、2年時はけがが多くて1軍に定着できず、何より猛練習に苦しんだ。当時、覇権奪還を目指していたチームでは、未体験のハードトレーニングが課されていた。

「1年生の時は4時間くらいあった時も。これが日本一の練習か…と。高校では1、2時間くらいだったのですが…」

 タフになった。「ここまで育ててくれたお父さん、お母さんに送り出してもらっているので、その思いに応えたい。腐ったら負け」と、誠実に取り組んだ。主力入りは3年時。当時コーチだった相馬朋和現監督に、こう見出されたという。

「1対1が強い。ハイボールも強い」

 華やかなランと同時に、空中で相手と競り合ってボールを獲れるばねと逞しさを評価された格好だ。

 試合を重ねるごとに、一連の流れのなかで何度もプレーに参加する献身ぶりを磨いた。防御でも光った。

 果たして、スピアーズの目に留まった。

「ハードワークは絶対、しようと思っています」

 優しさがにじむ。故障続きだった下級生の頃、自分より早くレギュラーポジションをつかむ同級生への思いはこうだったと話す。

「僕も(試合に)出たい気持ちはありますが、出ている同期には頑張って欲しい思いがありました」

 いざ自分がファーストジャージィをつかんだら、こんな使命感を抱いたという。

「チーム全員の思いを背負って、激しいところ、痛いところで粘り強くハードワークする。それが、この(帝京大の)ジャージィの価値になると思います。そして、勝つ」

 リーグワンは今季から、アーリーエントリーという制度を導入した。現大学4年生は、年度の改まる前もプレーできる。スピアーズのジャージィの「価値」に見合った選手となるための挑戦が、間もなく始まる。

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