倉敷が終了間際の逆転劇で花園初勝利。東北勢対決は黒沢尻北が制し、昌平も1回戦突破。
2019年創部の倉敷高校(岡山)ラグビー部が、2年連続2回目の出場となった全国高校ラグビー大会で初勝利を挙げた。12月28日に東大阪市花園ラグビー場でおこなわれた1回戦で徳島県立城東高校(6年連続16回目の出場)と対戦し、26-24で逆転勝ちした。
倉敷は立ち上がりよく、前半2分にラックからモールを作ってゴールに迫り、ボールを動かしてWTB藤井汰智がトライを決め、花園でチーム史上初の得点を記録した。13分にはNO8丸尾瞬がパワフルな突進でインゴールに押さえ追加点。
18分に城東のPR青山和樹がモールから持ち出してトライを奪ったが、倉敷は21分にドライビングモールでやり返し、FB南虹平のコンバージョンも決まって19-5とした。
しかし、城東は24分、CTB戸田新のブレイクで敵陣深くに入り、たたみかけてPR八田優太がトライ。SO池渕紅志郎のゴールキックも成功で、7点差に詰めて折り返した。
すると、後半早々にはラインアウトからの展開で主将のCTB浅尾至音が抜け、タックルされてもさらに前進してゴールに迫り、ブレイクダウン後、SH井潟心城がダミーからゴールラインを割ってトライ。コンバージョンも決まって同点に追いついた。
勢いに乗る城東はさらに11分、FWを中心にボールをつないで敵陣深くに入ると、BK展開でFB小野晏瑚が勝ち越しトライを決め、ゲームをひっくり返した。
だが、倉敷は5点ビハインドで迎えた試合終了間際、自陣深くで苦しい時間を耐えると、CTB鈴木寛太がブレイクスルーで大きくゲインし、サポートしたWTB高比良洸太が相手選手を振りきってインゴールに持ち込み、劇的トライで同点に追いつく。そして、FB南がコンバージョンを決め、歴史的な初勝利となった。
岩手県立黒沢尻北高校と山形県立山形南高校の東北勢対決は、45-0で黒沢尻北が制し、2回戦進出を決めている。
黒沢尻北は開始早々、ラインアウトからのドライビングモールで先制すると、19分にはSO小野寺桜飛がランでディフェンスを抜けて追加点。23分にもモールを組んで一気に押し込み、17-0で折り返した。
後半9分には、相手のラインアウトが乱れ、ボールを手にしたNO8伊藤和希がゴールへ駆け抜けた。その後、3トライを追加。
山形南はLO木村望叶のジャッカルや、CTB矢作健登らの接点の激しいファイト、SH柳川祐一郎らの好タックルなどがあり、奮闘したが、初戦敗退となった。
埼玉県代表の昌平高校は1回戦で熊本県立熊本工業高校と対戦し、19-7で競り勝った。
互いに譲らない攻防で、スコアが動いたのはハーフタイム前のラストプレー。昌平がスクラムからの攻撃で、平岡勝凱、井崎克と両CTBの力強い走りでゴールに迫り、SH長岡太陽が間隙を突いて先制トライを決めた。
7-0で迎えた後半8分には、ドライビングモールでゴールに迫り、FL堀江凛がピック&ゴーでトライ。
そして、相手にイエローカードが出て数的有利だった24分には、フィジカル強いCTB平岡が壁に穴をあけてオフロードでつなぎ、ボールをもらったWTB山口廉太が好走でディフェンダーをかわしてインゴールに持ち込み、勝利を引き寄せた。
熊本工業は終了間際にゴールに迫り、パワープレーでPR迫田優輝がインゴールにねじこんでトライ。勝利には届かなかったが、最後に意地を見せた。