2冠の夢つないだのは仏トゥーロン! 英サラセンズ下し2季連続欧州制覇
ヨーロッパの最強クラブを決める「ハイネケンカップ 2013-2014」の決勝が、現地時間5月24日にウエールズのミレニアムスタジアムでおこなわれ、トゥーロン(フランス)が23-6でサラセンズ(イングランド)を下し、優勝した。トゥーロンは2012-2013年シーズンもハイネケンカップを制しており、2季連続でヨーロッパチャンピオンとなった。
各所属リーグ(仏・トップ14/英・プレミアシップ)のタイトルと併せ、今季2冠獲得を目指した両チームの戦い。
序盤はサラセンズがスクラムで優位に立ち、ペナルティゴール(PG)で先制した。
トゥーロンはしばらく、相手の出足鋭いディフェンスに苦しみ、危険なプレーで1人が一時退出するなど悪いムードが漂っていたものの、29分、流れが変わる。ハーフウェイ付近でSOジョニー・ウィルキンソンが攻めの方向を変え、パスを受けたCTBマット・ギタウが瞬時にキックを使ってボールを相手ディフェンスの裏に出した。タッチライン近くでのバウンドボールを味方のWTBドリュー・ミッチェルが確保、サポートに走ってきた同じオーストラリア人のギタウにつなぎ、逆転トライが生まれた。
難しい位置からのコンバージョンキックをポスト間にねじ込んだ元イングランド代表のウィルキンソンは、37分にも、2003年ワールドカップ決勝を思い出させるような右足からのドロップゴールを決め、トゥーロンが10-3とリードして前半を終えた。
後半、互いにPGを1本ずつ取り合い、迎えた59分、追加点を奪ったのはトゥーロンだった。
CTBマチュー・バスタローが自陣10メートルライン内から突破し、敵陣に入ってからは2人のFLが右サイドをつないで力走。フアン・マルティン・フェルナンデス・ロベのサポートを受けたジュアン・スミスがインゴールに飛び込み、フレンチクラブが勝利の女神を引き寄せた。
その後、今季限りで引退する世界的英雄のウィルキンソンが成功率100%のブーツで得点を重ね、トゥーロンに歓喜の瞬間が訪れた。
なお、1995年からおこなわれてきたハイネケンカップは今回で幕を閉じ、ヨーロッパのプロのクラブチームによる最高峰大会は来季から「ヨーロピアン ラグビー チャンピオンズカップ」として生まれ変わる。
ちなみに、ヨーロッパ下部大会の「Amlin チャレンジカップ」は、23日にウエールズのカーディフ・アームズパークで決勝がおこなわれ、ノーサンプトン・セインツがバースとのイングランド勢対決に30-16で勝利。同大会で5年ぶり2回目の優勝を遂げている。