【ロンドン&トゥールーズ】もうひとつのオータムインターナショナル。
ジャパンが今年の欧州遠征を終えた。その裏側では、もうひとつのオータムインターナショナルが行われていた。
11月12日、イングランド戦のキックオフ5時間前、トゥイッケナムから車で10分ほどのところにあるリッチモンドラグビークラブに多くの日本人ラグビーマンが集結した。
リッチモンドラグビークラブは、故・平尾誠二、そして現7人制日本代表・丸尾崇真が所属した名門クラブだ。
ロンドンジャパニーズラグビークラブが毎年参加する奥克彦記念杯がこの日に合わせて開催され、日本人ラガーと地元チームが交流試合を行った。
(奥克彦記念杯についてはこちら)
第1試合では、ロンドンで活動するロンドンジャパニーズに加えて、パリ、アムステルダム、デュッセルドルフ、プラハ、そしてロサンゼルスから仲間たちが集った。
1日限りの欧米ジャパニーズを結成し、英国議会議員チームと激戦を繰り広げた。重量級フォワードとスピードあるバックスを兼ね揃えた英国議会議員チームに敗れたものの、珍しく青空の広がったイングランドで楕円球を追いかけた往年ラガーたちの顔は笑顔で溢れていた。
第2試合では、奥記念杯では恒例となったロンドンジャパニーズ×キュー・オケージョナルズ(オックスフォード大に、ライバルのケンブリッジ大のOBを加えたメンバーを中心としたチーム)が今年も対戦した。
2010年以来このカードで白星のないロンドンジャパニーズは、序盤から激しいタックルで試合を支配。昨年、横河武蔵野アトラスターズを引退した金澤省太郎もこの日のためにアムステルダムから駆け付けた。
現役時代を彷彿させる接点の強さで魂のタックルを連発、試合はロンドンジャパニーズが記念すべき初勝利を手にした。
イベントには林肇在英日本国大使が参列した。奥克彦氏を忍びつつ、日英のラグビーを通じた友情を称えた。
そして、11月19日。フランス戦の前日にはトゥールーズ郊外のラグビー場にて、今年で創部20年を迎えるパリジャパニーズが地元チームと交流試合を戦った。
当日はパリジャパニーズと交流が深く、パリを拠点に活動するクラブチーム・フロッグビーフズ、そして、地元トゥールーズのレ・ミゼラブルが三つ巴で対戦した。
パリジャパニーズは残念ながら記念すべき20周年に花を飾ることはできなかったが、来年のワールドカップに向けて日本ラグビーへの関心も高まるトゥールーズを、一足早く日本人ラガーたちが盛り上げた一日となった。
トゥールーズに住む熱狂的なラグビーファンで、当イベントをコーディネートした御厨太郎氏(茗渓学園高校出身)は、「トゥールーズは来年のワールドカップで日本代表のベースキャンプ地となる、日本ラグビーへの関心も大変高まっている。現地から盛り上げていきたい。」と熱く語った。
近年のジャパンの躍進で、欧州におけるジャパンラグビーの知名度は急上昇している。
来年こそはトゥールーズを歓喜の歓声で包み込んでほしい。