ジャパン大野、キャップ数国内歴代2位タイ 「しっかりボールを出すだけ」
ラグビー日本代表のLO大野均は10日、愛知・瑞穂ラグビー場でのアジア五カ国対抗・スリランカ代表戦に先発。国内歴代2位タイの79キャップ(国同士の真剣勝負への出場数)を獲得した。試合前、FLリーチ マイケル主将がチームメイトに「79キャップをお祝いできる試合にしよう」と語っていたようで、当の本人は「嫌でも意識しないといけない」と心で笑った。
メモリアルマッチに臨む気持ちを聞かれると、「周りから言われてそうかな、という感じはあったんですけど、特に自分は何の気負いもないというか」。ウォーミングアップではキックオフの捕球技術や攻撃の連携などを確認し、試合開始の瞬間を迎えた。
「今日はいろんなとこでラインブレイクができる展開。自分はその後ろからサポートについて、しっかりボールを出すということだけを心がけた。あとは、日和佐からボールをもらう位置に常に走り込もう、ということを考えていました」
自軍ボールの接点。イレギュラーな角度からSH日和佐篤の球さばきを妨害しようとするスリランカ代表のFWを、身体の真正面で受け止め続ける。前半15分には、度重なる接点での援護射撃でWTB藤田慶和のトライを下支えした。
「最初の走り出し、ですね。走り出してから状況を見る、と。タックルし終わったあともまず顔を上げて、防御ラインで自分が入れるところを探す」
後半4分にはSO田村優の突破で生まれた好機に反応し、低い前傾姿勢による突進でトライを決める。「走っていたらボールをもらえて、すると、前が空いていたから」。同16分で退く際は、スタンドから万雷の拍手を浴びた。「嬉しかったですね。はい」。132−10での勝利をベンチで見届けた。
「今日は、全員がすごい集中力で。エディーさん(ジョーンズ ヘッドコーチ)が『開始20分で試合を決めろ』と言っていたけど、その通りになった。普段のきつい練習と、お客さんの感じ…それが重なって、試合に出た」
79キャップは、現京産大コーチの元木由記雄氏と同数。国内最多のキャップ数は小野澤宏時(現キヤノン)の持つ81だ。日本記録にも近づくLO大野は、「まだまだ代表に呼んでもらえる選手でいられるように、頑張りたい」と言い残した。