復帰の松島、「自分のパフォーマンスを取り戻す」。日本代表候補合宿、初日からバチバチ

　一人ひとりの意欲がグラウンドのあちこちで熱かった。
　9月5日、日本代表候補が大分（別府）で10月、11月の国際試合へ向けた準備を本格的に始めた。

　52人の候補選手は、この合宿を経て40人前後に絞られ、10月1日、8日、14日と、来日するオーストラリアA代表と戦う。
　その後、日本代表スコッドが決定し、同29日にはオールブラックスと東京で対戦。ヨーロッパへ向かい、11月12日にイングランド、11月20日にフランスと戦う。

　5日の別府には50選手がいた。
　6月、7月の活動には参加していなかったPR具智元、NO8姫野和樹、SH流大やFB松島幸太朗らの姿もあった。

　初日から実戦形式の練習で体をぶつけ合うハードな内容。その様子を見てジェイミー・ジョセフ ヘッドコーチ（以下、HC）は、「エキサイティング。新しい選手、若い選手、久しぶりに来た選手たちがいて、いい練習ができていた」と満足気な表情を見せた。

「大きな試合のあるシーズンに向けて、準備を進めていきます。選手層を厚くしていかないといけない。我々が（選手たちに）要求しているものは高い。強度の高いトレーニングに耐えられる選手かどうかを見ていきたいと思っています」

　チームは3つのグループに分かれていた。
　ピッチの中で実戦練習を行う30人と、コンディションが整っていない選手も含む20人。それぞれのグループが、日によって活動内容を変えていく。

　復帰の途中にある選手たちについては、時間をかけながら戻していくようだ。
「経験の浅い選手、久しぶりの選手を、チームの考えを理解してもらうためにも優先的にグラウンドに出していきます。若い選手の一貫性も見てみたい」とジョセフHCは話した。

　フランス・トップ14、クレルモンに在籍していたシーズン中に負傷し、「ラグビーをするのは久しぶり」と言う松島は、「湿気があって疲れた」と話すも、サイズアップした肉体でWTBの位置に立った。

「疲れすぎて最初の方のことはあまり覚えていませんが、最後の方は慣れてきて体が動いてきました。この6か月、リハビリでラグビーをやっていなかったので、自分のパフォーマンスを取り戻したい。チームに影響を与えられるように頑張っていきます」

　新たに加わった選手たちとのプレーを「新鮮な気持ちでやれました。（メンバーが）若返ったように感じたし、勢いを感じました。いいプレーがいくつもあった」と振り返り、刺激をもらったと笑顔を見せた。

　姫野はまだ完全復帰への途中。しかし、日本代表活動の中に身を置いて「日本代表は名誉。わくわく感があります」と話した。
「2週間後にはフルで練習に参加したい。（この秋の試合には）全部出たいですね」

　2023年のワールドカップまで約1年。2019年の大会前は不安も感じていた。しかし、今回は「海外での経験もあって自信がついた。楽しみ」と話す。
　焦ることなくコンディションを整え、万全の状況でピッチに戻るつもりだ。