インジェラは100m10秒台。7人制ケニア代表、ジャパン戦必勝誓う。
(撮影:松本かおり)
警戒していた。昨季までセブンズ南アフリカ代表を指揮していたポール・トゥルー ヘッドコーチ(HC)だ。今季からケニア代表の指揮を執る同HCは『TOKYO SEVENS 2014』を目前に控え、集中力を高めジャパンとの戦いに挑むと口にした。
プールBからのカップトーナメント進出を目指す両チーム(上位2チーム)。3月22日の対戦は、ともに同日3戦目となる。「ジャパンは今シリーズ初登場。だから予備知識が足りない」という同HCは、「(先におこなわれる)アルゼンチン戦、南アフリカ戦を見て攻略法を考えたい」と言った。
「ただ、ボールをよく動かし、クイックに動くチームというのは知っている。だからしっかりディフェンスしたいと思っています。それに、彼らにとってはホームゲーム。大きな声援も大きな武器になるはず。それに負けないメンタルを持って臨む」
長く南アフリカを率い、安定感ある成績を残してきたトゥルーHC。その手腕を高く評価され、ケニア協会に請われた。ナショナルチームの強化から普及、ユースの育成までを担うセブンズ・ディレクターに就いた男は、自チームの潜在能力も楽しみと言った。
「すばらしいアスリートたちがいるんだ。フィジカルも強ければ、スピードもある」
ピッチの内外で細かな指導と厳しい姿勢を押し出すのは、持てる才をより有効に使うためだ。今季初戦から3大会連続でカップトーナメントに進出したように、安定感が増してきた。
コリンズ・インジェラがチームに勢いを与える。プレイメーカーでありフィニッシャーの大黒柱は、今季ここまでに17トライ(5大会)。100メートルを10秒台半ばで走るスピードを持つ。多くの選手はナイロビのムワンバクラブに所属しているため、コミュニケーションも密。アンドリュー・アモンデ主将は大柄で、ラインアウトやハイボールに強さを見せる。
練習の合間、合間にすぐに円陣を組み、互いの結束とモチベーションの高さを確認し合っていた。試合前日でも90分みっちりやった練習は、ディフェンスに重点を置いたもの。HCから立ち位置について細かな指示が飛んだ。
チーム関係者は、チームの愛称を「スーチャ」と言った。スワヒリ語で「ヒーロー/勇ましい」という意味だ。
「日本で言うサムライと同じようなものだと思っているよ」
一戦必勝の気持ちで挑んでくる。ジャパンは、絶対に気持ちで負けてはならない。