日本代表戦で初キャップ獲得のLOジョルメスとNO8タンガ、現在地と未来を語る。
7月2日に豊田スタジアムでおこなわれた日本代表戦は、フランス代表のLOトマ・ジョルメスとNO8ヨアン・タンガにとって初めての代表キャップを得る記念すべき試合となった。
2人は揃って、7月5日のトレーニング後の記者会見に出席。第1テストマッチの手応えと将来について話した。
Q.7月2日の日本代表戦が初めてのテストマッチでした。感情面とパフォーマンスの面でいかがでしたか。
ヨアン・タンガ「ファーストキャップをもらうことができてとても嬉しいです。初選出なので感情面ではコントロールするのが少し難しかった。自分のためだけにプレーするのではなく、幼なじみや家族、そしてフランスのためにプレーするのですから。ラグビー面では、自分のパフォーマンスにそこそこ満足しています。もちろん、いくつか修正する部分はありますが」
Q.40点取った相手とまた対戦します。モチベーションはどういうところにありますか?
トマ・ジョルメス「(13-13だった)前半を見ればあるでしょう。前半の戦況は40点とった試合とは思えませんから。いくつか練習しなくてはならない部分があります。例えば、ディフェンスのポジショニング。僕もできていませんでした。これらの点を修正し、準備するためにビデオで分析しています。できる限り良い準備をして試合当日に備えています」
ヨアン・タンガ「最善の準備をしなければいけません。テストマッチですから。(出場したら)僕たちにとっての代表第2戦。第1戦も簡単に勝てたとは思っていません。ここで気を抜かず、最善の準備をします」
Q.第1戦から気象条件が大きく変わると予想されています。気温が10℃ぐらい下がり、雨が降り、湿度が高くなりそうですが、どのように準備しますか?
トマ・ジョルメス「実際に、当日の天候がどうなるかですね。今日も暑さが和らいで、湿度は相変わらずあっても、かなり過ごしやすかった。僕たちはハンドボールやバレーボールのような屋内競技の選手ではないので、雨の中でのプレーにも慣れています。戦術面では少し変わる部分があるかもしれませんが、雨の日の試合はみんな経験しているので、どんな気候条件でも準備ができています」
Q.第2テストマッチでの出場が期待されるラシン92でのチームメイト、マックス・スプリングはどんな選手ですか? グラウンドの中、そしてグラウンドの外での様子を教えてください。
ヨアン・タンガ「グラウンド外ではとても良い子、親切でいいやつです。グラウンド内では素晴らしい選手で、飛び抜けた能力を持っています。彼はポジションの基礎がしっかりできていて、ハイボールに強く、キックも上手い。また自分から仕掛けることも好きな選手。ラグビーを感じることができる選手です」
Q.今回の遠征に参加して、2023年のワールドカップ(以下、W杯)に参加したいと言う気持ちがさらに強まりましたか?
トマ・ジョルメス「個人的に、(来年の)W杯は僕の中期的計画の最終目標です。その目標に達するためには、今回の日本遠征に参加しなければならいと考えていました。そして選考され、1試合に出場しました。もう1試合残っていて、僕が出場できるかどうかはまだわかりませんが、この遠征はW杯につながるかもしれない、ひとつのステップです。最善の準備をしています。次の試合も出られたらいいし、もし出ることができなければ、努力を続けます」
ヨアン・タンガ「すべての代表候補のフランス人選手と同様、僕にとってもW杯は一つの目標です。でもW杯までまだ1年あります。その前に、まずこの遠征をしっかり終えなくてはならない。秋のテストマッチもあり、トップ14も1シーズンあり、W杯の前にまだたくさんのことがあります。まず目の前のことに集中します」
Q.数年前、特にトゥーロンで難しい時期を過ごしていました。:現在の再生の理由は?
トマ・ジョルメス「他のインタビューでもお話ししましたが、ラ・ロシェルを退団した時に練習のメソッドを変えました。体重も増えていましたが、コンスタントに続けられるリズムで努力を続けました。体重があまりにも増えすぎていて、トゥーロンでは努力の結果が目に見えるところまでは行きませんでしたが、最低限のフィジカルができてくるにつれ、少し試合に出られるようになった。さらに努力を続けました。右肩上がりというのではなく、コンスタントに、少しずつ向上させようとしました。トップ14でシーズンを通じてパフォーマンスを維持する、日本遠征に参加する、というように、一つずつステップを越えて来ました。今回、日本遠征参加の目標は達成されました。これからもコンスタントに努力を続け、チャンスが巡って来た時にしっかりそれを掴めるように備えます。僕が取り入れたこの練習のメソッドを、現役を終えるまで続けます」
Q.初めての代表試合で何を経験しましたか? スタッフとどのような話をしましたか? 今後は何を期待されていますか?
トマ・ジョルメス「特別な試合でした。まず僕の初めての代表試合です。テストマッチのレベルを初めて経験しました。また、気象条件も極端な暑さ、湿度での試合でした。日本チームは、とてもとてもとても、パスを使ってプレーしてきました。どんどんプレーがつながります。スプリントが多く、とてもスピードがあり、(欧州)チャンピオンズカップのレベルかそれ以上です。とてもきつい時間帯もあり、ディフェンスでのコネクションを維持することができませんでした。その点を改善しなければならないとスタッフと話しました。例えば前半、右の15メートルのゾーンで日本がアタックして来た時、僕は反対側から必死で戻らなければならず、すぐに自分の立ち位置につくことができなくて(CTBディラン)ライリーに抜かれた。僕がコネクトしていなかったからです。今後はチームメートとしっかりコネクトします。強固なディフェンスで、相手の攻撃を遅らせたい」
Q.キックオフ直後からいいテンションでした。どういうメンタルでしたか?
トマ・ジョルメス「ここ数年、ラックのディフェンスでは強く上がって、激しくヒットするのが好きです。この試合でも何人かの選手を倒したように思います。しかもファーストキャップです(から気持ちが昂っていた)。背番号5です。相手をドミネートしなくてはならない。必然的に、正面から僕にぶつかってくる選手は、二度と僕のところに来たくなくなります(笑)」
Q.印象に残った日本の選手は?
トマ・ジョルメス「NO8(テビタ・タタフ)はヒットが強かった。ディフェンスラインを突破された。とてもタフ。そして 7番の(ベン)ガンターも強い。前半は日本チーム全員が凄まじいペースでプレーしました」
Q.日本の一部のファンから、あなたに『ライオン』というニックネームがついているようですが、その名前について気に入ってもらえますか?
トマ・ジョルメス「ライオンはジャングルの王です。嬉しく思います」
Q.今回、日本のメンバーが少し戻ってきて、戦術面で第1テストとは変わってきそうですが、フランスではどのように分析していますか?
ヨアン・タンガ「そのことで僕たちの準備が変わるとは思いません。選手が変わっても、プレーのシステムは変わらないでしょう。また、僕たちは直近の試合を見て個々の選手について分析しています。多くの選手が出ていましたが1人ずつ分析しました。また新たな選手の分析をして誰が試合に出てきても大丈夫なように備えます」