#トップイーストもいいぞ 歓声の戻ってきたTEは横河が大勝
ラグビーリーグワンは、埼玉パナソニックワイルドナイツが初代チャンピオンとなり、盛り上がりのうちに幕を閉じた。その傍らで、最近こんなハッシュタグをラグビー関係のSNSで見かけるようになった。
#トップイーストもいいぞ
このハッシュタグは東日本の社会人トップイースト各チーム間で自然発生的に広がっている。そう、トップイーストも、いいのである。
春季交流戦トーナメントたけなわのトップイースト、そのベスト4を懸けた、横河武蔵野アトラスターズ対クリーンファイターズ山梨が6月19日に行われた。
トップイーストは9月からのリーグ戦がいわば「本番」であるが、昨年から始まったこの春季交流戦は、A〜Cのグループ分けを取り払い全チームが勝ち抜き方式で優勝を争う。
「昨シーズンBグループ降格となって、上位チームと戦うのに体をぶつける、タックルをするというラグビーの基本の部分が足りていなかったことを思い知った。こうした基本に取り組んできた」
クリーンファイターズ加藤尋久監督はそう語った。絶好の力試しの機会ということだ。
また、この時期は4月から新社会人となった選手の社会人ラグビー公式戦デビューの時期でもある。それぞれのチームのメンバーにも新人の名前が見られる。
「自分の強みはスクラムだと思っています」
横河武蔵野PR山本渓太(帝京大)
「自分は大学時代からもアタックが得意で、そこで貢献できると思っています」
クリーンファイターズ山梨 LO池田将大(天理大)
それぞれ大学の強豪校で鍛えてきた新人2人にとっても、この春のトーナメント戦は力試しの場でもある。そんな選手たちの胸に秘めた思いの中、キックオフの笛は吹かれた。
キックオフ7分に横河武蔵野のWTB古田泰丈がまずトライ。横河武蔵野の動きがいい。ここから横河武蔵野の猛攻が始まる。
「全員が底上げされ、誰が出ても同じようなレベルのプレーができるチーム作りに取り組んできた。昨シーズンは30代の選手中心にならざるを得なかったが、この春は若い選手にも出場機会を与え、試合の緊張感の中で同じレベルのプレーができるようになることを期待している」
今シーズンから指揮を執ることになった横河武蔵野・深堀敏也監督の期待通り、この試合は10分にはLO坂本龍哉(明治大25歳)、14分の古田、24分のSO衣川翔大(慶応大25歳)、30分には平間丈一郎(明治大26歳)と、若い選手がたて続けにトライを上げ、躍動する。コンバージョンキックも全て決めて前半30分で35-0と完全に勢いに乗る。
対する山梨は、「今シーズンやろうとしていたプレーがあるのに、肝心な局面で昨年までの経験値でのプレーに戻ってしまった。基本に忠実という部分が継続できていなかった」と加藤監督が試合後に振り返るように、この日の山梨はディフェンスが噛み合わない。
結局前半を横河武蔵野の7トライの49-0で折り返す。
この点差にも横河武蔵野は、「山梨は力のある外国人選手もいて、勢いに乗せてはいけないチーム」(深堀監督)と点差が開いた後も気を緩めない。
山梨がゴール前に迫るシーンもあるものの、あと一つのところでターンオーバーを許したり、ペナルティーを犯してチャンスを逃してしまう。
「ディフェンスでブレイクダウンからターンオーバーを取る、これも昨年課題だったが幾つかできた。また、今日の試合はノーペナルティで、規律も守れた。これは収穫だった」(同監督)
まさに横河武蔵野の思い通りの展開となって、後半も勢いは変わらず、8トライで合計101-0となってノーサイド。