ジャバ・ブレグバゼはこれで日本最後? 「家族も悲しがっている。オファーがあれば」
惜別の一戦へ、「ありがとうございます」と日本語で言った。ラグビーのジョージア代表で68キャップ(代表戦出場数)のジャバ・ブレグバゼが、入ったばかりのクボタスピアーズ船橋・東京ベイでのラストマッチに挑む。
5月28日、東京・秩父宮ラグビー場でのリーグワン1部・プレーオフ3位決定戦に先発予定。26日、オンライン取材に応じる。
「これと言って特化して見て欲しいプレーはないですが、試合全体を楽しんでもらえるように、いい形で締められるようにしたい。(日本語で)ありがとうございます」
身長180センチ、体重105キロの35歳。スクラム大国と呼ばれる母国で、最前列中央のHOとして地位を築いた。
2018年からの3シーズンは、当時スーパーラグビーに日本から参戦していたサンウルブズの一員となった。南半球主体の国際リーグにあって、初めてのジョージア出身選手となった。サンウルブズでの時間を「(競技生活の)ハイライト」と言ってはばからない。
スピアーズへは緊急補強の形で入った。同じポジションで南アフリカ代表46キャップのマルコム・マークスが、3月5日の第8節で故障。代役候補として、ブレグバゼに白羽の矢が立った。
渡りに船だった。当の本人は、もともと日本でのプレーを熱望していた。フランス2部のSUアジャンとの契約を解除し、ラブコールを受ける。
5月下旬からのプレーオフ時にマークスが戻った場合は、限られた外国人枠のもとで定位置争いが強いられそうだった。それでもブレグバゼは、「マルコムは世界のベストHOですが、私もベストを尽くします。そこから先はなるようにしかならない」。自らも第14節であばら骨を故障してしまったが、マークスの復帰が叶わなかったプレーオフで戦うことができた。22日、秩父宮での準決勝に途中出場した(埼玉パナソニックワイルドナイツに10-24で敗戦)。
契約は、今季限りとなった。
「2か月、いい環境でできました。いい思い出ができました。サンウルブズ時代と同じくキャリアのハイライトとなりました。フランスを去ったことに後悔はありません」
日本のリーグワンは、ハイテンポな展開が特徴的だとブレグバゼは言う。
「ひとつひとつの強度はフランスの2部に比べると…という感想はあります」と現実を示すかたわら、「いいコーチ、選手がいる。皆、楽しんでラグビーができているのがいい」。最近では、母国やフランスの仲間が日本でのプレーに興味を持っているという。そう聞くたびに、ブレグバゼは「ハードルは高いよ」とくぎを刺す。
リーグワンでは、他国代表歴を持つ選手は3名までしか同時に出られない。強豪国の代表選手が集うなかとあり、自らが立場を確保するのもそう簡単ではなかった。日本が自身に適した環境だと思う一方、誰もが簡単に来られる場所ではないと痛感する。
それでもブレグバゼは、また日本へ戻ってきたいという。
「クリアになっていることは、この後ジョージアでオフを過ごし、ジョージア代表でプレーすること(だけ)です」としながら、「家族も日本を去ることを悲しがっていますので、その後オファーがあればいいですが」。ひとまずの国内最終戦では、東芝ブレイブルーパス東京とぶつかる。