宗像サニックスブルース活動休止で、チーム譲渡の可能性も。入替戦はどうなる?
株式会社サニックスから、同社ラグビー部である宗像サニックスブルースの活動を2022年5月末をもって休止するとの報告を受け、一般社団法人ジャパンラグビーリーグワンの東海林一専務理事は、「今回の決定については、我々としても非常に残念です。株式会社サニックスならびに宗像サニックスブルースにおかれましては、これまでチーム・選手・スタッフの活躍はもちろんのこと、企業としての高校生世代の世界大会開催へサポートなど、日本ラグビーへ多大な貢献をいただきました。多くのファンの方々に愛されるチームでした。ファンの皆様にとっては、いままで応援していたチーム、あるいは地域の顔として活躍してくれたチームを喪失するということであり、非常に残念な出来事でありますし、リーグとしても事態についてお詫び申し上げます」とコメントした。
今後については、宗像サニックスブルースに対するさまざまなサポートをしていくと同時に、リーグ運営としては、いかなる場合であっても、ファンに楽しんでもらうことを継続しておこなっていくことを約束した。
リーグワンでは、選手の移籍については「60日ルール」を設定している。今季は5月29日がリーグ最終日であり、60日前にあたる3月30日から移籍の交渉が可能となった。また、選手によっては株式会社サニックスを含めた再就職を希望することも想定され、リーグワンとしても支援する。
そして、サニックスはチーム譲渡についても可能な限り継続して検討するとしており、リーグとしても積極的に動くという。
サニックスのジャパンラグビーリーグワンからの退会については、当社からの申請に基づき、理事会の承認により決定されることになっており、譲渡先を探すという活動を続け、もし譲渡先が見つからなかった場合は、退会ということで、5月29日までに決めていくことになる。
リーグワンでは、譲渡や新規参入について、現時点では審査の基準の詳細は公表していないが、いずれ公表するとのこと。さまざまな基準があると思われるが、東海林専務理事はそのなかでも、「母体企業の財務の安定性、社会的な信用性が一定の基準をクリアしていることが必要になる」と明かした。
宗像サニックスブルースは福岡県宗像市を拠点とするが、譲渡で本拠地が変わっても問題はない。しかし現時点で、ブルースの譲渡について本格的な交渉まで至っている話はないという。
現在、リーグワンのディビジョン3に参戦している宗像サニックスブルースが3位以内になった場合、入替戦に参加するかどうかが論点になるが、仮に譲渡先が見つからなかった場合、ブルースは入替戦には参加しないことが想定されるものの、4位チームが繰り上がりで入替戦に出場することはない。
今シーズン終了後には、現在ディビジョン1に属するNTTドコモレッドハリケーンズ大阪とNTTコミュニケーションズシャイニングアークス東京ベイ浦安がチームの再編成をおこなう予定で、社員選手等で構成されるドコモ運営のチームはディビジョン3に入る見通しだが、入替戦のフォーマットは、ドコモのリーグワン会員資格再審査と、サニックスにおけるブルースの譲渡に係る状況などを踏まえ、4月中旬をめどに決定し発表するとのこと。
ブルースの譲渡先が見つからなかった場合、来季のリーグワンは参加チームが減ることになるが、東海林専務理事は今回の事案にかかわらず、リーグワンへの新規参入については、積極的に促進していくと語った。
「ファン、関係者の皆様におかれましては、引き続き、リーグワンへのご支援をよろしくお願い申し上げます」