国内 2022.03.10

「いくつかオファーはあった」。帝京大監督・岩出雅之氏が、新設される「帝京大スポーツ局」の局長に就任

[ 編集部 ]
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「いくつかオファーはあった」。帝京大監督・岩出雅之氏が、新設される「帝京大スポーツ局」の局長に就任
2021年12月に初めて大学から打診を受けた岩出雅之氏。ラグビー部だけではなくスポーツの部全体をサポートしていく(撮影:山口高明)

 2021年度、帝京大学を大学日本一に導いた岩出雅之氏が後任監督の相馬朋和氏を紹介し、あわせて自らの今後の活動を公にする場が設けられた。3月10日に帝京大学・霞ヶ関キャンパスで行われた帝京大新監督の発表会見で、岩出監督が大学の新ポストに就くことが発表された。

 新たに設けられた帝京大学の部局は「スポーツ局」。これまでは各部がそれぞれに行なってきたスポーツ部活動の強化、自助を、大学としてトータルにサポートしていく。岩出氏は4月からスポーツ局長として、その統括にあたる。26年間の指導実績や学内外への影響力が認められ、初代の局長となる。

 帝京大学スポーツ局は、大学の財産である多様なスポーツのリソースを活用し、帝京大学のスポーツの発展や、ブランドの確立・強化を図る。さらに、スポーツを通して社会に寄与するために創設される(2022年4月1日)。同局は(1)スポーツ振興 (2)学術研究・教育 (3)学外連携・社会貢献 をその活動の柱に挙げている。

 岩出氏に大学からのオファーがあったのは2021年12月。すでに、翌年からは相馬氏にポストを譲り勇退する心づもりだった。

「対抗戦の終わった後で、初めて聞かされる話でした。一方でスポーツ局については、以前から学内で議論されていたのを見聞きしていた」と岩出氏。

 他のチームやカテゴリーで指導することへの意欲はなかったかと聞かれると、新たなポストへの意欲を口にした。

「正直に言うと、いくつか指導者としてのオファーはありました。ただ私は、26年間、大学の中でお世話になり、いろんな機会をいただいてここまできた。今度は新しい角度で、大学に恩返しができることを前向きに捉えました。まずは帝京大学という中を充実させることに取り組みますが、いずれは、大学スポーツ全体の価値を社会に理解してもらい、また社会に還元できるようになっていきたい。大学スポーツにはポテンシャルがある」(岩出氏)

 大学にとって、発信力あるスポーツは今、可能性を秘めた資産となった。強化のみではなく、安心安全、健康のもとで選手たちが競技に集中できる環境づくりが第一歩となる。

岩出雅之氏 優勝直後の退任発表はこちら

相馬朋和 新監督就任の会見の模様はこちら

PROFILE
いわで・まさゆき/1958年2月21日生まれ、64歳。帝京大医療科学技術部スポーツ医療学科教授。4月より帝京大学スポーツ局局長/新宮高校→日体大→滋賀県教職員→帝京大。日体大では主将としてチームを優勝に導き(1978年度)、卒業後は高校指導者に。八幡工高を率い花園で戦った。高校日本代表監督を経て、1996年度より帝京大監督。26年間指揮を執り、大学選手権優勝10度。早慶明ら伝統校がひしめく対抗戦グループで頭角を表わし、2009年度からは9連覇の金字塔を打ち立てた。現役時代のポジションはFL

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