早慶戦は早稲田勝利も、慶大が猛追。両者、反省と手応えを「次戦へ」
前半を終わって35-5の試合は、キックオフから80分経って40-33になった。
先に主導権を握った早大にとっては思い通りの試合への入り。しかし、終盤はブレイクダウンで受け、4トライを許した。
終盤に追い上げた慶大は、負けたのだから笑顔はなかった。前半は、早大の勢いあるアタックにディフェンスで前に出られなかった。
しかし後半は、次へつながる手応えを感じた。
1万597人のファンでスタンドが埋まった。
大きな拍手が何度も起こった試合は、前半6分、早大NO8佐藤健次のトライでスコアが動き出した。
スクラムからのアタックだった。フェーズを重ね、CTB長田智希が防御を突破。PR小林賢太がトライラインに迫る。
最後は佐藤が巧みなターンでタックルを外してインゴールへ入った。
早大はこの日、SOで先発した伊藤大祐(正しくは示に右)がアタックに勢いをつけた。
大田尾竜彦監督も「仕掛けるところは仕掛け、走り、キックも飛距離があった」と及第点を与えた。
16分にはラインアウトから攻める。FB河瀬諒介が好走を見せ、FL相良昌彦がインゴールに入った。
河瀬は前半を振り返り、「いい入りができた。やるべきこと、やらなければいけないことをやった結果」と、全員の集中力が好パフォーマンスに結びついたと話した。
その流れが後半に入るとガラリと変わった。
赤黒のジャージーは慶大のアタックに差し込まれる。反則からPK、ラインアウト、モールで何度もトライを奪われた。
長田主将が完全なコンディションでないことから、ベンチに下がった。
リーダー不在時に相手の勢いが増し、混乱に陥った。
大田尾監督は、「ゲームプランを状況によって変化させ、対応しないといけない。前半うまくいったことが後半もうまくいくとは限らない」と話した。
慶大は「自分たちの強みを再認識する戦いを見せてくれた」と栗原徹監督が言うように、後半は、自信のあるモールに持ち込む展開を見せた。
FL山本凱のタックルがチームを勇気づける。HO原田衛主将のモールコントロールが冴える。
原田主将は「後半は(点差がついていたので)点を取るしかない、と攻めました。アタックの時間を増やそう、自陣からでも攻めよう、と」
後半の勢いを次戦の帝京大戦(12月4日)につなげたいと話した。