国内
2013.09.02
興奮のトヨタダービー。織機の熱、最後に…。
新人ながら先発フル出場のトヨタ自動車WTB彦坂匡克。
力強い走りで勝利に貢献(撮影/出村謙知)
【ジャパンラグビートップリーグ2013-2014 第1節】
2013年9月1日/愛知・豊田スタジアム
トヨタ自動車 21-18 豊田自動織機
大きなやかんは沸騰までに時間がかかる。前年度5位、巨漢揃いのトヨタ自動車は、終始球を保持しながら失敗を重ねた。スクラムを押し込んでも、NO8菊谷崇の足元のボールをすくわれたり。連続攻撃の途中、LO北川俊澄が勢い余って地面の上の球を蹴ってしまったり。
かたや、今年度3季ぶりの昇格を果たした豊田自動織機の平鍋はぐらぐら煮立っていた。鋭い出足の守備網。オーストラリア代表23キャップ(国同士の真剣勝負試合への出場数)のSOマーク・ジェラードらが頻繁に位置交換をするBKライン。田村誠監督が練った時間帯ごとのエリアマネジメント。全てが機能した(後半22分までに18-6)。特に守りでは、中央突破を図る相手のニュージーランド代表48キャップ、FLジェローム・カイノへ束になりスマッシュ。決壊を防いだ。
やかんの湯が沸いたのは、平鍋を熱するガスが切れた時だ。「最後はゲームでのフィットネスが…」と、大舞台へ久々に復帰の田村監督。豊田自動織機がばてるや、トヨタは12点ビハインドを一気に追い上げる(後半32分まで6-18/36分に18-18)。SO黒宮裕介の決勝ペナルティーゴール(後半40分)を見届けたHO上野隆太主将は、「勝てたことだけ、収穫」。
(文・向 風見也)