激闘シリーズ制したのは南ア! 英国&アイルランドの連合軍ライオンズ、打倒W杯王者ならず。
今年のラグビー界で最大級の注目となったテストシリーズを制したのは、ワールドカップ2019のチャンピオンである南アフリカ代表“スプリングボックス”だった。
イングランド、スコットランド、ウェールズ、アイルランドの精鋭を集めて結成されたドリームチーム、ブリティッシュ&アイリッシュ・ライオンズとの三番勝負は、1勝1敗で最終戦を迎え、現地時間8月7日にケープタウン・スタジアムでおこなわれた最後の激闘を南アフリカ代表が19-16で制した。
4年に一度チームを結成して南半球のラグビー伝統国に遠征するブリティッシュ&アイリッシュ・ライオンズは、2017年のニュージーランド遠征では同国代表オールブラックス相手に1勝1敗1分、2013年のオーストラリア遠征は代表チームのワラビーズに2勝1敗と勝ち越していたが、12年ぶりとなった南アフリカ遠征は、2009年に引き続きテストシリーズ負け越しとなった。
前半をリードしたのはライオンズだった。
3-3で迎えた19分、ライオンズはローリングモールでトライを奪い、勝ち越しに成功した。
対する南アは、35分にスクラムで勝ってショットチャンスを得ると、SOハンドレ・ポラードがこれを決めて4点差。ハーフタイム前には自陣深くでライオンズの攻撃に耐え、6-10で折り返した。
後半の序盤、ポラードが連続でペナルティゴール(PG)を外し、少しいやなムードになりかけた南アだったが、56分(後半16分)に流れが変わる。ハイボールのこぼれ球をグリーン&ゴールドジャージーが確保し、カウンターでFBウィリー・ルルーがゲイン、そしてパスをもらったWTBチェズリン・コルビがタックルを2つかわしてトライを決め、逆転した。コンバージョンも成功で、13-10となった。
その後、両チームともPGを1本ずつ決めて加点し、16-13で迎えた70分、逆転トライを目指し攻めたライオンズがゴールラインを割ったが、南アは堅守でグラウンディングを許さず。直後のスクラムではライオンズに反則が出て、南アはピンチを脱出した。
74分にライオンズのSOフィン・ラッセルがPGを決め、16-16と再び同点になったが、78分、ライオンズが自陣中盤で痛恨の反則を犯してしまう。ここで南アは、5年ぶりの代表復帰でこの試合の後半途中から出場していた37歳のベテランSOモルネ・ステインがPGを狙い、確実に決め、19-16と勝ち越し。
最後は、南アが相手ボールスクラムでプレッシャーをかけてライオンズの反則を引き出し、激闘はノーサイドとなった。