日本代表 2021.06.30

真価を問われる重要な一戦。ジャパンが敵地で世界ランク4位のアイルランドに挑む。【日本代表戦、B&Iライオンズツアー J SPORTSで全試合配信】

[ 編集部 ]
真価を問われる重要な一戦。ジャパンが敵地で世界ランク4位のアイルランドに挑む。【日本代表戦、B&Iライオンズツアー J SPORTSで全試合配信】
切れ味鋭いランで何度も快走したWTB松島幸太朗。フランスTOP14でさらに成長した姿を存分に見せた(Photo: Getty Images)

2019年の雪辱に燃えるアイルランド。ブレイクダウンとハイボール処理が鍵に

1年8か月ぶりのテストマッチ、しかも相手はイギリスとアイルランドの精鋭がひしめくあのブリティッシュ&アイリッシュ・ライオンズである。歴史的勝利には届かなかったものの、随所に持ち味を発揮しての10-28の敗戦という結果は、あらためて日本代表の地力向上とさらなる躍進の可能性を感じさせた。そして、だからこそ、1週後の7月3日に行われるツアー2戦目のアイルランド戦(日本時間21時キックオフ@ダブリン・アビバスタジアム)は、より内容を問われる重要な一戦となる。

過去の戦績はアイルランドが9勝(キャップ非対象のアイルランドXVとして戦った2試合を含む)、ジャパンは1勝とアイルランドが圧倒しているものの、直近の対戦である2019年のラグビーワールドカップでは、ジャパンが19-12でアイルランドから初白星を手にした。現在ワールドラグビーランキング4位の誇り高き緑の戦士たちは、雪辱を果たすべく必勝を期してこの試合に臨んでくるはずだ。そこできっちりと対抗してふたたび勝利をつかむことができれば、2023年のワールドカップフランス大会に向けたジャパンの強化に大きく弾みがつく。

ライオンズ戦では、ブレイクダウンのフィジカルバトルでプレッシャーを受け反則が重なったことが、前半の劣勢と失点につながった。クイックテンポのゲーム運びはジャパンの生命線であり、当然ながらアイルランドもそこで圧力をかけて組み伏せにくるだろう。激しく体を当てるとともに、緻密なスキルと滑らかな連携、鋭いリアクションでスピーディーにボールを動かし続けることが、勝利への鍵となる。

ハイボールを競り合うWTBシオサイア・フィフィタ。アイルランド戦でもこうしたシーンが増えそうだ(Photo: Getty Images)

もうひとつの見どころが、ハイボールの処理だ。アイルランドは伝統的に高く長いキックで前進したところから強力FWでたたみかける戦法を得意としており、その起点となるSHからのボックスキックやハイパントの対応でエラーが起これば、必然的に流れはアイルランド側へ傾く。相手の蹴り上げたボールをしっかりと確保し、ピンチの芽を摘み取っていくことが、主導権を握る上での絶対条件といえる。

アイルランドは、負傷したLOアラン=ウィン・ジョーンズに代わってツアーキャプテンに指名されたSHコナー・マレーを筆頭に、PRタイグ・ファーロンやLOイアン・ヘンダーソン、CTBロビー・ヘンショウら主軸7名をライオンズに送り出しているほか、SOジョニー・セクストン、PRキアン・ヒーリー、WTBキース・アールズのベテラン3人も休養のため今夏の代表入りが見送られた。とはいえ、北半球屈指のLOと評されるジェームズ・ライアンや、ヨーロッパを代表するハードワーカーであるピーター・オマーニー、ジョシュ・ファンデルフレイヤーのFL陣、中盤でBKラインを牽引するCTBガリー・リングローズ、2018年のシックスネーションズのトライ王であるWTBジェイコブ・ストックデールらを擁するスコッドは強力だ。上記の5人をはじめ2019年のジャパン戦で苦渋をなめた選手が9人含まれており、相当な決意でこのゲームに挑んでくるだろう。

2019年W杯時は13番で先発したガリー・リングローズも、雪辱に燃えるひとり(Photo: Getty Images)

アンディ・ファレル監督率いるチームは6月22日にダブリン郊外のアイルランドユニオンのハイパフォーマンスセンターに集合し、ジャパン戦に向けたトレーニングキャンプをスタートさせた。国内のクラブに所属する選手は6月13日までPRO14のレインボーカップを戦っており、選手個々のコンディションはほぼトップフォームに近い状態だろう。一方でチームとしての活動期間はまだ10日ほどしかなく、仕上がりという点では、5月末から合宿を行いサンウルブズ戦とライオンズ戦の2試合を戦っているジャパンに分がある。ジャパンとしてはそのアドバンテージを生かし、相手の焦りを誘うような展開に持ち込みたいところだ。

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