失敗も敗戦も成長の糧に。ハイランダーズ姫野、次は“トランス・タスマン”に挑む。
今年、ハイランダーズに加入した姫野和樹が、ニュージーランド国内大会『スーパーラグビー アオテアロア』での戦いを終えた。大会中盤の第5節でデビューを果たし、その後、4試合連続で背番号8を任され奮闘。チームは3勝5敗で4位という成績だった。
4月30日の最終戦(対ハリケーンズ)は22-41と逆転負けし、「残念な気持ちが大きいです。自分たちのやりたいことが全然できなかった。今回はお互い(プレーオフ)決勝に行けないということで、モチベーション的に準備の段階で何か問題があったのかもしれない」と悔やむ。
でも、挑戦はこれで終わりではない。5月14日からはオーストラリアのチームと対戦する『スーパーラグビー トランス・タスマン』に挑む。敗戦も、いい教訓としたい。「リフレッシュをして、トランス・タスマンへ向けてチームとしていい準備ができればなと思っています」
過去数試合、不完全燃焼が続いていた持ち味のボールキャリーは、この日のハリケーンズ戦でしっかり成長した姿を見せた。
「ここ最近すごく苦しい場面でボールを持つことが多く、なかなか前に出られなかった。自分の強い状態で当たれずダブルタックルで押し戻されることが多かったので、ディフェンダーに対して体を正対するということを意識しました。(これまでの試合では)横に流れすぎて、自分の矢印が真正面じゃなかったというのが自分のなかで反省点だったので、しっかり相手と正対して、体がしっかり強い状態で当てていくというのがすごく大事だなと思って、しっかりと修正して臨みました。その結果、思い通りにできたんで、よかったです」
しかし、ハリケーンズ戦では悔やまれるプレーもあった。
17-15で迎えた後半のキックオフボールを姫野がキャッチできず、落球。ハリケーンズに攻め込まれ逆転トライを許してしまったのだ。
「後半の立ち上がりは大事な局面なので、難しいボールではあったんですけど、あそこは捕らないとダメ。風がすごく吹いていて、ちょっと読みづらいというのはありましたけど、捕れたボールなので、僕のミスです。反省しています」
でも、スーパーラグビーでいい経験をしていると実感している。
「たくさん失敗もありますが、その都度、しっかり自分と対話して、何がアカンかったのかなと考えられる時間も自分にとっては成長のいい材料だと思っています。それを持ち続けていけば、もっともっと成長できると思うし、6月の代表戦へ向けてもいいコンディションに仕上がるんじゃないかなと、自分自身にワクワクしている状態です」
5月14日からは『トランス・タスマン』でオーストラリアのチームと対戦する。
「フィジカリティのあるいい選手がたくさんいるので、そういった選手たちとバチバチにやり合うのもすごく楽しみです」
姫野はジャッカル、ボールキャリーだけではない。成長中と自覚しているディフェンスの部分でも、もっともっとインパクトのあるタックルをしたいと思っている。