東海大が創部50周年式典 初の頂点に向け「すべてに全力」目指す
創部50周年式典であいさつをする木村監督。写真右が坂尻キャプテン
(撮影:向風見也)
関東大学リーグ戦1部の昨季王者である東海大は、初の大学選手権優勝に向け「全力」をテーマに掲げる。23日、木村季由監督は都内での創部50周年式典に出席。PR坂尻龍之介新主将とともに健闘を誓った。
東京・国立競技場であった前年度の選手権準決勝(1月2日)、関東大学対抗戦Aで優勝した筑波大に26−28と惜敗した。木村監督は、「負けてグラウンドを出る時から次のことを考えていた」。ここまで公式戦出場経験のない坂尻を次期主将にすると、この時点で決めた。「うちに足りないものを具体的に表現できる奴だから」。4季連続で王座につく帝京大との差を「正しく1年間、頑張れるかどうか」の一言に集約。すべての練習に全力で臨み、その必要性を部員に伝えられる選手にリーダーを任せたかったのだ。新チーム始動から間もないなか、早速その効果を感じている。
「いいこと言う。それも何かが終わってからじゃなく、いつも、その場で。練習でちょっと気が入っていないことがあったら一旦止めて『ちゃんと準備してきたのか』と」
東海大仰星高卒のPR坂尻主将は、昨季は夏合宿中に左足首を脱臼骨折してシーズンを棒に振っていた。指名された際は「気持ちの準備はしてたけど、衝撃は大きかった」という。信条は「スタートとゴールを大事に」。単純な反復練習でも「最初の1本目から100パーセントで」臨む。それが、大一番での幸先のよい立ち上がりにつながると信じているようだ。昨季先発に定着したHO崩光瑠には「ものごとの本質を捉えている。ごまかさない」と信頼される。選手間で声が出ていない時は、指揮官の指摘通りに練習を中断。注意を促す。
「やっぱり、ラグビーはコミュニケーションのスポーツなので。皆、練習自体は全力で取り組んではいると思うんですけど、自分に集中し過ぎてコミュニケーションを取れてない時がある。そういう時はすぐ言わないと。それが後々、響いていくんで」
昨季の東海大は、先発全員が体重100キロ超という重量級FWを擁しつつ、ボールを大きく動かすスタイルを目指した。新シーズンは「それを踏襲し、完成させたい」と語る木村監督は、「春から水準が高いトレーニングができた」と強調している。
(文・向風見也)