国内 2021.01.03

第100回、みんなの花園③ スコアは21-21。「ノーサイドが、先に来た」

[ 成見宏樹 ]
第100回、みんなの花園③ スコアは21-21。「ノーサイドが、先に来た」
試合中のインゴール。笑みを見せる東海大仰星(撮影・早浪章弘)

 キックオフと終了の笛をいい顔で迎えられたら、ラグビーはそれでいい。

 2021年1月3日、全国高校大会準々決勝で東海大仰星と東福岡が対戦し、21-21の同点となった。規定により抽選の末、東福岡が準決勝進出を決めた。

◆東海大仰星と東福岡の終了の笛。すぐに健闘を称えあう穏やかな表情

 東海大仰星が先行し、逆転した東福岡が一時21-7までリードし、後半15分から仰星が2トライ2ゴールを決めて追いついて、試合は終わったと思ったらドラマはそこから始まった。後半21分からの出来事だ。

「楽しかったです。後半の終わりは、ずっと楽しかった」

 疲労と、何十発も食らったタックルで全身が痛みでいっぱいのはずのヒガシのPR本田啓が穏やかに振り返る。

「疲労は……最後はそういう感覚はありませんでした」

 嘘でしょ、と返したくなる感想を残すのは、同じく東福岡のキャプテン永住健琉。LOという、最も消耗の激しいポジションで、長い長い後半を戦い切った極限の心境だ。

 おそらく高校ラグビー史上最長のインジャリータイム、時計は48分40秒を回っていた。30分ハーフの後半が、プラス19分間近くも続いた。

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