茶番劇どころか延長にもつれる熱闘! イングランドがサヨナラPGでフランス下しオータム制覇
ラグビーワールドカップ2023・組分け抽選の1週間前におこなわれた「オータム・ネーションズカップ」の決勝は、“茶番劇”になるどころか、延長にもつれる熱闘となった。
現地時間12月6日にロンドンのトゥイッケナムスタジアムでおこなわれ、イングランド代表が22-19でフランス代表を下した。イングランドは今年のシックスネーションズ(欧州6か国対抗戦)も制しており、2冠達成である。
■オータム・ネーションズカップの優勝トロフィーを掲げるイングランド代表のファレル主将
戦う前から、フランス代表は勝てるわけがないと思われていた。
2023年の自国開催ワールドカップへ向けて強化に力を入れ、今年2月のシックスネーションズ開幕節でイングランド代表を破っていたが、そのときのスターター15人のうち、オータム・ネーションズカップ決勝の登録メンバーに入っていた選手はひとりもいなかった。
新型コロナウイルスの影響で今年はラグビー界も混乱し、例年のように南半球・北半球の国代表が交流する国際マッチシリーズをおこなえず、臨時的に設けられた「オータム・ネーションズカップ」。
優勝決定戦に、イングランド代表はけが人を除いたほぼベストな布陣で臨み、先発15人のキャップ数が合計「772」だったのに対し、フランス代表スタメンのトータルキャップ数はわずか「68」だった。10キャップ以上持っていたのはFBブリス・デュラン(30キャップ)だけで、極めて経験が少ない選手たちが名を連ねていた。
試合登録メンバーが発表されると、そんなチームが欧州王者に勝てるわけがない、「茶番だ」とフランス代表を非難する声があがっていた。
フランス代表がベストメンバーを組めなかったのは事情があり、現在開催中のクラブリーグ側とフランスラグビー協会との合意により、フランス代表選手はこの秋にあった6つのテストマッチのうち、3試合までしか出場できないことになっていた。コアプレーヤーたちは、コロナ禍で春から秋に延期となっていたシックスネーションズの最終戦を戦い、オータム・ネーションズカップのグループリーグで出番を終えていたから、優勝決定戦には出られなかったのだ。
それでも、若いフランス代表は奮闘した。