各国代表 2020.12.07
茶番劇どころか延長にもつれる熱闘! イングランドがサヨナラPGでフランス下しオータム制覇

茶番劇どころか延長にもつれる熱闘! イングランドがサヨナラPGでフランス下しオータム制覇

[ 編集部 ]
ファーストトライを決めたフランス代表のブリス・デュラン(Photo: Getty Images)

 前半14分、SOマチュー・ジャリベルが突破してFBブリス・デュランにつなぎ、両チーム通じて最初のトライを挙げた。

 ハーフタイム前、ゴールに迫ったイングランドのFWが激しく肉弾戦を仕掛けたが、フランスは鉄壁のディフェンスでゴールラインを割らせず、白いジャージーの男は落球。“レ・ブルー”はピンチを脱出した。

 13-6と、フランスがリードして前半を終えた。

 イングランドは後半もフランスの堅守に苦しみ、キャプテンのCTBオーウェン・ファレルはゴールキック不調で、なかなか波に乗れない。

 対するフランスは、SHバティスト・クイユ、WTBギャバン・ヴィリエールなど、小柄な選手たちも果敢にブレイクダウンでファイトし、チームを活気づけた。

 だが、19-12とフランス7点リードで迎えた後半39分、土壇場で必死のイングランドがラインアウトからドライビングモールでゴールに迫り、止められたが、HOルーク・カウワン=ディッキーが体を半転させてインゴールにねじ込んだ。そして、コンバージョンも決まり、同点となって延長戦に突入した。

 延長は10分ハーフで、どちらかが得点したら終了となるサドンデス。

 延長前半早々、フランスが反則を犯し、イングランドのファレルが敵陣10メートルラインの内側、ほぼポスト正面からPGを狙ったが、失敗。イングランドにいやなムードが流れた。

 互いに死力を尽くし、熱闘はトータルで90分を超えた。

 そして、延長後半4分、イングランドのSOジョージ・フォードが敵陣左奥にボールを蹴りこみ、確保にいったフランスのWTBアリヴェレティ・ラカに対し、チェイスした白いジャージーのランナーたちがプレッシャーをかけた。まもなく、LOマロ・イトジェがブレイクダウンでからみ、フランスの反則を引き出した。

 PGチャンス。

 この試合それまで、ゴールキック8本のうち半分を外していたファレルだが、約45度の角度から放ったショットは、決まり、サヨナラPGとなって決着がついた。

 苦しい戦いを勝ち切ったイングランド代表と、多くの若い選手たちが貴重な経験を積んだフランス代表。2023年のワールドカップへ向け、両チームにとって大きな一戦となった。

PICK UP