日本代表 2020.11.30

REDS×BLUESで個性光る。サクラのジャージー、熊谷で激突。

REDS×BLUESで個性光る。サクラのジャージー、熊谷で激突。
持ち味のスピードを存分に発揮した女子セブンズ日本代表候補、原わか花。(撮影/松本かおり)
男子セブンズ日本代表候補の本村直樹。2試合で5トライ。(撮影/松本かおり)
視野の広いプレーを見せた女子15人制日本代表候補、SO大塚朱紗。(撮影/松本かおり)


 名物の風もなく、穏やかな一日だった。
 選手同士のライバル心がぶつかり合ったピッチの上は熱かった。
 11月29日に熊谷ラグビー場でおこなわれた『リポビタンD presents JAPAN RUGBY CHALLENGE 2020』の観戦者は1417人。巨大なワールドカップスタジアムはガランとして見えたけれど、男女セブンズ日本代表候補、女子(15人制)日本代表候補の繰り広げたセレクションマッチは、サクラのジャージーが久々にファンの前で躍動する時間となった。

 それぞれのカテゴリーが、ファーストジャージーの『REDS』とセカンドジャージーの『BLUES』に分かれて戦ったこの日。女子セブンズ代表候補の中で、強い意志を示したのは『REDS』の原わか花(東京山九フェニックス)だ。
 相手チームの同じ位置には、これまでサクラセブンズのトライゲッターとして活躍してきた堤ほの花がいる。その相手に、強気で勝負を挑んだ。

 ライバルを振り切って奪ったトライがあった。
 ディフェンス時に頭が相手の歯とぶつかり、おでこには歯形付きのたんこぶができたが、そんなことは気にせず動き回った。
 試合後、堤に好タックルを受けてトライラインに届かなかったシーンを振り返り、「あれでまた、負けたくないっ、と燃えました」。
 この日のパフォーマンスとマインドは、首脳陣への好アピールとなった。その名は、ファンの記憶にも強く刻まれただろう。

 男子セブンズでは、『BLUES』の主将を務めた本村直樹(ホンダ)がトライを量産して存在感を示した。
 昨秋のフィジー遠征で右足の腓骨を骨折し、手術した。ほぼ1年ぶりにファンの前でプレーする。その緊張感が、いい方に出た。
 爆発的なスピードやパワーがあるわけではない。「本村がいるとなんか安心だな、と言われるようになりたい」と話す通り、気の利いたプレーでボールを何度もインゴールに運んでみせた。

 女子15人制日本代表では、『REDS』のハーフ団にスピード感があった。
 キレのあるパスと走りが持ち味のSH阿部恵(アルカス熊谷)。前が見えるSO、大塚朱紗(RKUラグビー龍ケ崎GRACE)。ふたりがチームを前に出した。
 後半から司令塔の位置に入った高木萌結も含め、51-22と快勝する80分をうまく作った。

 レスリー・マッケンジー ヘッドコーチは、ホームのファンの前でプレーできたことを喜び、「こういう機会を求めていた」と感謝の言葉を口にして続けた。
「それぞれの選手たちがインパクトを残してくれたと思います」
 実戦に近い空気の練習を心がけてはいても、ファンの見つめる試合の緊張感に勝るものはないだろう。
 実のある一日だった。

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