「まさに“ザ・開幕戦”」 京産大は劇的な逆転勝ち 昨季2位同大は昇格の関大に冷や汗勝利
関西大学Aリーグは11月8日、Even(昨季偶数チーム)リーグが大阪の鶴見緑地球技場で開幕。2試合とも最後まで勝敗の行方がわからない熱戦となった。
1試合目の京産大×立命大は取りつ取られつのシーソーゲーム。「ロスタイム4分」のアナウンスの時点で、27-26とリードしていたのは立命大。FWがボールをキープして残り時間を使おうとしたが、密集でオフサイド。京産大がタッチキック→ラインアウトモールで相手ゴール前に陣取ると、FWがじわじわとゲイン。45分にルーキーFL三木皓正がインゴールにボールを持ちこんだ。コンバージョンも決まり、33-27で劇的な逆転勝ちを収めた。
今季就任した伊藤鐘史監督は「まさに“ザ・開幕戦”。80分を終えて1点差でもいいから勝ちたいと思い描いていた通りになった」。FL田中利輝主将は「(リードされて)焦る気持ちもあったが、丁寧にやり続けられた」。立命大・庄司拓馬主将は「最後まで攻め続けようと思っていた。共有はできていたが、あそこで消極的なマインドになってしまったことがペナルティになった」と悔やんだ。
2試合目は、昨季リーグ2位の同志社大が、今季昇格した関西大に33-31で冷や汗の勝利。PGとトライで0-10と先制を許し、前半は追いかける展開。14-24とビハインドでの折り返し。後半の立ち上がり、キックオフから相手陣内に攻め込み、CTB稲吉渓太(1分)、ルーキーWTB岡野喬吾(5分)の連続トライで28-24と逆転した。しかし、その後は攻めあぐみ、スコアボードは動かず。ボールを持ちこんでは反則をとられる繰り返し。相手のキック主体の手堅い攻めにつきあい、強みであるアタックを継続できず。課題の残る80分となった。
伊藤紀晶監督は「今年は試合数が少ないので、“負けたらおしまいやで”とプレッシャーをかけたら、硬くなってしまった」と反省。中尾泰星主将も「アップから盛り上げようとしたが、去年の経験者が少なくて、プレッシャーに押されてしまった」と、ともに試合の入りを課題に挙げた。
両チームは交流戦で10月17日に対戦し、同志社大が35-12で快勝していた。関西大の桑原久佳監督は「交流戦はメンバーも違うし、あくまで様子見。(あれで)同志社が油断してくれるかな、と」。開幕戦に一発勝負をかけていたことを明かした。