国内 2020.11.08

圧倒的パワーで目黒学院が本郷を47-5で下す。3年ぶり19度目の花園へ。

[ 編集部 ]
圧倒的パワーで目黒学院が本郷を47-5で下す。3年ぶり19度目の花園へ。
ボールを持てば躊躇なく前進。縦への突破力を武器に圧倒した(撮影:長岡洋幸)

 第100回全国高校ラグビー大会の東京都予選の決勝が11月8日、秩父宮ラグビー場でおこなわれた。第1地区の決勝は11時から目黒学院と本郷が対戦。

 東京新人大会で優勝、関東高校新人大会でも3位につけた目黒学院が、持ち味の真っ向勝負で7トライを奪い、47-5と快勝した。

 先制したのは目黒学院。ハーフウェイ付近のラインアウトを起点に、ブラインドサイドでWTB林星安(せあ)が1人を交わして22㍍ラインを突破すると、素早く大外に展開。最後はライン際にいた3番PRのシオネ・ポルテレが右隅に抑えてトライ。もともとはBKで今季からPRに転向したというシオネ。竹内圭介監督が「世界最速のPRを目指す」と話すシオネはラインアウトに加わらず、初めから大外で待っていた。

 目黒学院は直後の5分にも相手のミスキックを見逃さず、22㍍内ラインアウトからFWのピック&ゴーで前進。最後はNO8佐野祐太が2人をねじ伏せ、トライを奪った(14-0)。

 その後、中盤での攻防が続くが、本郷が相手の反則でチャンスを得ると、22㍍内ラインアウトから最後尾でモールを形成。崩れずに前進し続け、インゴールまで持っていった。多くの本郷ファンが駆け付けた秩父宮。この日一番の拍手を受け、自分たちのペースに持ち込みたい本郷だったが、目黒学院の佐野やLOソロモネ・フナキらFWの力強い前進と、SH飯島乾太(けんた)主将起点にテンポ良く展開されるアタックに押されてしまい、連続トライを奪われる。

 28-5で迎えた後半。2分に目黒学院がFWのピックで攻めるのに対し、本郷PR吉村隆志がジャッカルで反則を得ると、流れは本郷に傾いた。ただ調子の良いモールでトライを奪いたかったが、オブストラクションの反則でトライを取り切ることができなかった。

 一方、目黒学院が15分に、意表を突いたサインプレーでモールを組み返しトライ。33-5と突き放した。その後、本郷はCTB渡邊勇太主将が好タックルを見せるなど奮闘するが、目黒学院は飯島とSO小俣一樹の視野の広さが効果的に働き、さらに2トライを重ね、ノーサイド。

 目黒学院が3年ぶり19回目の「花園」を決めた。竹内監督は「いつも通り、ラグビーを楽しもうと送り出した。非常に楽しんでくれたと思います。東京都代表のひとつとして、その責任を持って頑張りたい」と語った。

 敗れた本郷は、15日に東京都第3位決定戦に臨む。この試合(15日)の勝者は関東ブロックの各県2位(東京は3位チームが出場)が集まって花園出場権を争う「オータムチャレンジ」(無観客試合)に出場する。全国高校大会は今年、100回記念大会のため63校(例年出場数は51)が出場する(全国高校大会の開催は未決定)。

 本郷・野上敦司監督は「まだチャレンジできる機会がある。ここ数試合、思うように自分たちのラグビーができていなかったので、ペナルティを減らして、マイボールを思い切り動かし、スコアしたい」と話した。

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