国内 2020.09.21

ルーキーも爆発の帝京大は「健全」を意識。頂点に立つための「空気」が戻ってきた?

[ 向 風見也 ]
ルーキーも爆発の帝京大は「健全」を意識。頂点に立つための「空気」が戻ってきた?
練習試合をおこなった帝京大(黒ジャージー)と東海大(撮影:向 風見也)


 2017年度まで大学選手権で9連覇を果たした帝京大が、シーズンイン前最後となる実戦機会をよい形で終えた。

 9月21日、東京都日野市内の本拠地グラウンドに東海大を迎えた。2009、15、16年度のファイナルを争った相手とは計3本のゲームを組んで3連勝。主力同士が出場した一戦は84-7とした。

 堅守で相手のミスや反則を誘発。攻守逆転からの速攻やペナルティキック獲得後のラインアウトからのモールで、あれよという間にスコアを重ねていた。

 就任24年目の岩出雅之監督はこうだ。

「7、8月は多くを求めず、ひとつひとつ(の項目)を丁寧にやってきた。学生たちのいい集中力が出てきた」

 岩出監督は「きょうは、『桐蔭』という高校の出身者がよかった」と話す。

 桐蔭学園高出身の3年で右PRの細木康太郎は、スクラムで好プッシュを披露しながら球を持てば相手をひらりとかわす。守りでも光った。

 大阪桐蔭高で全国優勝を経験した2年の高本幹也は、SOで先発。乱れた相手防御の裏へ鋭いキックを放つなどし、首尾よく流れを整えた。

 こちらも大阪桐蔭高卒で3年生FLの上山黎哉は、迫りくる相手を仰向けにさせてベンチサイドを沸かせる。「ナイスタックルでしたね」。指揮官から、この日のMVP級の働きだったと称賛された。

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