東福岡の4連覇の夢破れる! 茗渓学園が大逆転勝利
ダイナミックな走りを見せた東福岡のHO金子崇。王者はFWの強さを活かし、前半は主導権を握っていたが…
(撮影:BBM)
春冬通じ、6大会連続で全国大会を制し、長く高校ラグビー界の頂点に君臨してきた東福岡が破れた。1月3日、大阪・近鉄花園ラグビー場で準々決勝に臨み、春の全国選抜でベスト8だった茗渓学園(茨城)に24−31で逆転負けした。啓光学園(現・常翔啓光学園)以来、戦後2校目の4連覇がかかっていた東福岡の夢は散った。
前半は東福岡が24−5と大きくリードした。
前半6分過ぎ、ゴール前でのスクラムを経てFWが突進し、最後はPR石橋海洋が強引に持ち出して先制トライ。22分にはゴール前でBKも参加して近場で攻め、WTB中尾湧馬が飛び込み追加点を奪った。
対する茗渓学園は25分、速いテンポで敵陣深くに攻め込むと、素早い右への展開からFB堀越貴晴が巧みなワンハンドパスで大外のWTB仲澤龍佐につなぎ、5点を奪い返した。
しかしリスタート直後、相手プレッシャーから逃れようとした茗渓学園FB堀越のキックが前にいた味方選手に当たり、はね返りを東福岡のHO金子崇が拾って前進、オフロードでNO8丹下翔太に渡ってチーム3トライ目。前半最後にはペナルティゴールで東福岡が3点を追加し、19点リードで折り返した。
だが、後半はテンポよく攻めた茗渓学園がゲームを支配する。7分、FL柴原世良のゲインでゴール前まで迫り、右への展開からSO赤松智太朗が中央を突破して飛び込んだ。さらに15分過ぎ、東福岡が敵陣でボールをこぼして茗渓学園が反攻、果敢に仕掛けるSH大越元気が右へロングパスを放り、WTB仲澤が相手陣内10メートルラインから振り切って、コーナーにトライ。ゴール成功で24−19、5点差に迫った。
疲れが出始めたか、東福岡はノックオンでさらに流れを悪くし、ディフェンスの足が止まる。22分、勢いにのる茗渓学園がリズムよく攻め込み、WTB大芝優泰がパワフルに走り切って同点トライを挙げた。
そして28分過ぎ、ゴール前でスクラムチャンスをつかんだ茗渓学園は、横縦に速い攻めで相手を揺さぶり、最後は左への展開からCTB高澤正徳が決勝トライ。残り時間を守り切り、茗渓学園に歓喜の瞬間が訪れた。
3回戦では尾道(広島)相手に苦しみながらもロスタイムに逆転して8強入りした東福岡。終盤に粘り強いチームだが、この日、後半はスタミナ切れで、ついに屈した。名将・谷崎重幸氏がチーム統括という立場になり、藤田雄一郎監督に代わって臨んだ初めての花園だったが、黄金期に一度ピリオドが打たれた。
「勝って当たり前の試合なんてない。みんなこういう経験をして強くなる。これを栄養剤にしないと。選手たちは本当に一生懸命やった」(東福岡・藤田監督)