常翔学園が伏見工に1点差勝利 2年連続の4強入り
常翔学園が誇る弾丸ランナー、重一生。伏見工も彼を止めるのに苦労した
(撮影:BBM)
激闘となった関西勢のヘビー級対決は、常翔学園(大阪第1)が27−26で伏見工(京都)を倒した。第92回全国高校ラグビー大会の準々決勝第3試合は、キックオフ直後から手に汗握る攻防となった。
試合は開始1分も経たずにスコアボードが動いた。ジュニアジャパンでもある伏見工キャプテンのFB松田力也がハーフウェイでショートパントを使って裏に出て、大きくゲイン。22メートルラインでパスを受けたHO江口晃平が左サイドを突破し、先取点を奪った。
しかしわずか3分後、今度は高校日本代表の常翔学園SH重一生が、抜群の瞬発力を見せてゴールラインを越える。9分にはラインアウトからモールで前進後、SH重がブラインドサイドを突いて2トライ目を挙げた。
だが、7年ぶりの優勝を狙う伏見工は簡単には引き下がらない。12分、自陣深くでボールを奪い返して右へ展開し、WTB奥村颯が約80メートルを走り切った。ゴール決まり同点。12−12でハーフタイムを迎えた。
後半、先に得点したのは常翔学園だった。1分、危険なランナーであるSH重が中央に相手ディフェンダーを集め、左へ展開して、HO日高将吾がパスダミーを使いながら左サイドを破り、勝ち越しトライ。その4分後には自陣から、FBのポジションに立つ背番号9の重がWTB坂本泰敏とのコンビネーションで左サイドを抜け、走り切ってハットトリックを決めた。ゴール成功で、12点の差がつく。
しかし、果敢に攻める伏見工は20分間以内にその差を埋めた。13分、ゴール前でのペナルティから速攻を仕掛け、NO8高橋稔貴が飛び込んでグラウンディング。23分には、FB松田が放ったキックパスをNO8高橋が確保し、同点トライを挙げたのだ。ゴール決まり、伏見工が2点リードと試合をひっくり返して終盤へ。
それでも、ドラマは終わらなかった。28分、重に22メートル内を脅かされ、伏見工は痛恨の反則を犯してしまう。常翔学園はSO後藤大輔が右足で確実に逆転ペナルティゴールを決め、これが決勝点となった。
昨年度は準決勝で涙をのんだ常翔学園。次勝てば、14年ぶりの決勝戦進出である。