クライマックスでピンチの筑波大 FB内田主将は動じず
大舞台で筑波大を束ねる内田啓太主将(左端)
(撮影:福島宏治)
学生日本一を争う大学選手権の準決勝は新年1月2日、東京・国立競技場で行われる。
大一番を前に、関東大学対抗戦Aの筑波大では選手の多くが体調不良を訴えている。それでもFB内田啓太主将は「ピンチともチャンスとも思っていない」と平然と構える。
関西大学Aリーグ・3位の関西学院大との選手権セカンドステージ第3節(23日/○54−0)を前に、主力メンバー22人中14人がウイルス性の胃腸炎にかかった。24日、都内で準決勝の組み合わせ抽選会を行った際は、古川拓生監督も「中の物が全部出た状態。ここからどう状態を戻すか」と頭を悩ませていた。
そんな事態にも、FB内田は「意識していない」と淡々。もともと、感情の起伏はおだやかなようだ。「調子に乗ったり、落ち込んだりとかは、まったくないですね」。主将として迎えたラストシーズンは帝京大、明大と対抗戦の同時優勝を果たすも「目標は大学選手権で日本一になること。(対抗戦優勝は)選手権の組み合わせがそれで変わる、というくらいの感じ」。目先の結果に一喜一憂せず、日々を歩んできた。「やるときは集中するけど、普段はバラバラ。そういうのが逆にいいな、って」と、チームへの愛着も語る。
「ここ(2年連続の全国4強)に来たのも皆、当然のように受け止めていますし、達成感もない。個人能力が高いので、その色を活かす。チームの決まりごとは守る。そうやって1年間、過ごして来ました。負けられない試合で後悔しないように。個性的な選手が多くて、(主将は)やりがいがありました。試合前のロッカールームでも世間話をしたりとか、いつもの練習終わりのよう。でも、ウォーミングアップが始まったら目の色が変わる…」
14時キックオフの準決勝では、関東大学リーグ戦1部・首位の東海大と激突する。
(文・向風見也)