海外 2020.08.26

財政問題抱える南アのキングズ、2020年残りシーズンからの撤退を発表。

[ 編集部 ]
財政問題抱える南アのキングズ、2020年残りシーズンからの撤退を発表。
2017年からプロ14に参加してきたサザン・キングズ。観客動員にも苦労している(Photo: Getty Images)


 財政的な不安を抱えている南アフリカのサザン・キングズは8月25日、2020年の残りシーズンに計画されているラグビー大会への参加を自主的に辞退すると発表した。
 主戦場としているプロ14は、新型コロナウイルス感染拡大の影響による長期中断を経て、先週末に2019-2020シーズンを再開。ヨーロッパ勢がダービーマッチでリーグ戦の残り試合を消化している一方、2017年から同大会に参加している南アフリカのサザン・キングズとチーターズはコロナ禍で行動制限が続いているため試合を開催できずにいたが、キングズはそれとは別に、さらなる債務の発生を回避するために残りシーズンから撤退することを決めた。

 キングズのアンドレ・ラデマン会長は、「ロックダウン(都市封鎖)後の再開で、我々が望めば、南アフリカラグビー協会が提案する国内大会にキングズは参加することもできる」としているが、そうした場合、キングズは追加のローンまたは株主からの650万ランド(約4000万円)相当の追加投資が必要になり、多額の借金が増えることになる。

 南アフリカの東ケープ州ポートエリザベスを拠点とするサザン・キングズは2009年に誕生し、2013年から南半球のスーパーラグビーに参加。しかし、成績不振が続き、経済的な理由などにより2017年にスーパーラグビーから除外され、アイルランド、ウェールズ、スコットランド、イタリアのチームと戦うプロ14に参加していた。

 サザン・キングズの母体であるイースタン・プロヴィンス・ラグビー協会は南アフリカラグビー協会の支援を得て組織再建に取り組んでいるが、厳しい状況が続いている。

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