大金でカナダの13人制クラブに入団したソニービル、コロナで働き場失い豪州の古巣に復帰か
楕円球界のビッグスターであるソニービル・ウィリアムズが、また、プレーする場所を変えるかもしれない。
2019年のラグビーワールドカップ日本大会を最後にニュージーランド代表“オールブラックス”のキャリアを終えたソニービルは、北米唯一の13人制(ラグビーリーグ)プロチームであるカナダのトロント・ウルフパックから2年総額7億円以上とも言われる大金でオファーされ、入団。ソニービルにとって13人制ラグビーはプロアスリートとしてのキャリアを始めた最初のスポーツであり、北半球最高峰のスーパーリーグに今年初参戦することになったトロント・ウルフパックで活躍が期待された。
しかし、イングランドの10チーム、フランスの1チーム、そしてカナダのトロント・ウルフパックによって争われるはずだった今年のスーパーリーグは、新型コロナウイルスの世界的大流行により3月中旬で中断。8月上旬の再開を目指すが、リーグで唯一の大西洋横断チームであるウルフパックは、ウイルス検査、スタジアムのレンタル、医療費、選手にかかる費用の増額など、イギリスでのシーズンを完了するための大幅な追加費用で財政が厳しくなり、2020年のスーパーリーグから撤退することを7月20日に発表した。
今季6試合を戦い全敗だったトロント・ウルフパックは、来年のスーパーリーグに参加することを望んでいるが、2部リーグに降格の可能性もある。
これにより、オールブラックスで58キャップを重ね2011年と2015年のワールドカップ優勝メンバーでもあるソニービルは働き場がなくなり、ラグビーユニオン(15人制)に2度目の転向をする前に在籍していたシドニー・ルースターズへの復帰が噂されている。ルースターズ側はソニービルとの交渉が順調に進んでいることを認めており、オフロードの名手は復帰が決まれば、コロナ禍の中断をはさんで5月下旬に大会を再開したオーストラリアの13人制リーグ(NRL)で6年ぶりにプレーすることになる。
しかしNRLは、選手がNRLクラブならびに別のスポーツチームと同時に契約を結ぶことを禁じており、ルールでは、ソニービルはルースターズとの契約書にサインをする前にウルフパックとの2年契約を終了する必要がある。同じ13人制でもリーグが違うためローン移籍も適用されない見込みで、抜け穴を探しながら、ウルフパックへの補償も含めて話し合いがおこなわれている。
ルースターズ入団が決まったとしても、ニュージーランド人のソニービルは、新型コロナウイルス感染拡大防止のため厳しい入国制限をしているオーストラリアへ妻子と一緒に直接入国する場合は特別な免除が必要となり(妻はオーストラリアのパスポートを持つ)、シドニーに到着しても14日間の隔離が義務づけられているため、チーム合流後のトレーニング期間も考えれば、シーズン最後の方の4、5試合しか出場できないかもしれない。