医師の資格持つ元ウェールズ代表ロバーツ、コロナ禍で力強いフットワーク。
ジェイミー・ロバーツは、身長193センチ、体重110キロの頑丈な体を活かす世界屈指の名センターである。ラグビーのウェールズ代表として94キャップを重ね、ブリティッシュ&アイリッシュ・ライオンズのメンバーとしても3キャップを獲得。テストマッチでプレーしたのは2017年11月が最後で、今年中には34歳の誕生日を迎えるため誇り高き赤いジャージーを再び着ることは難しいとみられており、「100」の大台には届かないかもしれない。
それでも、彼はいま大きな称賛を浴びている。努力家で、ブレイブハートを持つニューポート出身のこの男は、フィールド外でも力強いフットワークを見せている。
ヨーロッパを代表するラグビースターのひとりであるロバーツは今年、南アフリカのストーマーズに加入し、南半球の猛者たちが集うスーパーラグビーに初めて挑戦した。開幕戦から背番号12をつけ、6試合連続で先発。悲願の初優勝を目指すストーマーズに欠かせない存在となっていた。
しかし、3月15日を最後にスーパーラグビーは中断してしまう。
新型コロナウイルスが世界を変えた。もう、ラグビーどころではなくなってしまった。
当初、ロバーツは大会再開に備えストーマーズが拠点とするケープタウンに残るつもりだったが、南アフリカが都市封鎖されることとなり、帰国することを決めた。
楕円球を失った。でも、ロバーツは新たな使命に燃えていた。
彼はドクターとしての顔も持つ。ラグビーをしながらカーディフ大学などで学び、2013年に医師の資格を取得していた。
ウイルス感染拡大に対して最前線で戦う人たちを支援したいという思いは強く、まだ南アフリカにいた頃、母国のカーディフにある自身のフラット(アパート)を医療従事者に貸すなどサポートしていた。そして帰国後は自ら、イギリスの公的医療サービス(NHS)のボランティアに志願した。
「ここ数週間で、私の人生はラグビー選手からこの役割を担うように大きく変化した。危機を乗り越えるため、少しでも力になれたらと考えた」とロバーツは言う。
これまで医師として働いた経験はなく、医療プロセスには関与しない。それでも、最前線で奮闘する医療従事者らをサポートし、ソーシャルメディアも使って現場のリアルを伝えるなど貴重な情報発信を担っている。
5月2日時点で、イギリスでの新型コロナウイルスによる死者は2万8131人で、感染者は18万人を超えており、いまなお深刻だ。
ロバーツの役割は重要度を増している。
(情報参考:IOL, sport24, BBC, Daily Mail)
I’m writing a blog about my experiences with the Cardiff & Vale University Health board @CV_UHB during the COVID-19 crisis.
— Jamie Roberts (@Jamiehuwroberts) April 11, 2020
It aims to offer readers an insight into how the Health Service in Cardiff is adapting during this period. Feedback welcome! ???? https://t.co/WLLB3wklVw