国内 2012.10.25

パナソニックWTB山田が代表初選出! 苦い経験で「スタンダードを上げた」

パナソニックWTB山田が代表初選出! 苦い経験で「スタンダードを上げた」


yamada


今季トップリーグ前半の大活躍で日本代表入りした山田章仁
(撮影:松本かおり)


 


 


 11月の欧州遠征に向けて24日に発表された日本代表メンバーに、パナソニックのWTB山田章仁が名を連ねた。今季、日本最高峰のトップリーグ(TL)で開幕から7試合連続トライを決めるなど好結果を残していた。海外プロクラブとの契約を希望するなか、テストマッチ(国同士の真剣勝負)への初出場を目指す。



 都内でメンバーが発表された24日、番組収録のため茨城・筑波大にいた。日本ラグビー協会からは「昨日か、今日」に正式な報せを受けたとし、「嬉しかったっすよ。皆がしてくれていた期待にようやく1つ、応えられる」と感想を語った。28日から東京・町田のキヤノンスポーツパークなどである国内直前合宿(〜11月2日)へ、「(代表の)コアなメンバーになりたいので、自分というものを少しでもアピールしたい」と意気込む。



 日本社会人アメリカンフットボールXリーグのノジマ相模原ライズ入りし、異種競技にも挑戦する今季は、体重を昨季から5キロ増の88キロとした。「ボールタッチの回数を増やしたい」と、常に空いたスペースを探す意識でトライを量産している。攻撃的ラグビーを標榜するエディー・ジョーンズHC(ヘッドコーチ)に、「(TLでは)チャンスの場面に彼がいた場合は、ほとんどスコアできている」と評された。



「もっとチャンスをものにできるようになりたいという思いが、僕にはある。(代表では)アタッキングラグビーのなかで、ボールに触れる機会がたくさんありそう。楽しみ」



 三洋電機(のちにパナソニックに名称変更)に加入した2010年度は、TLのプレーオフでMVPとなった。しかし、11年秋のワールドカップ(W杯)ニュージーランド大会には出場できなかった。所属先の飯島均前監督(現部長)には「これは万人がおかしいと思っている。そこでどんな態度を取るかであなたの価値が決まる」と伝えられた。そんななか本人は、「悔しいと思いつつ、この経験は未来に活きる」と信じることにした。



「それがあって今があるのはもちろんのこと。(W杯メンバーからの落選は)スタンダードを上げさせてくれました」



 長年、欧州のプロクラブへの挑戦を目指している。代表経験のなさが障壁の1つだった。テストマッチ出場からのキャリアアップも視野に入れる山田だが、まずは代表選手として「インパクトあるプレーをしたい」と決意を込める。27日、群馬・太田市運動公園陸上競技場で近鉄とのTL第8節に挑む。


(文・向 風見也


 

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