国内 2020.03.28

世界一のダミアン・デアリエンディが日本で残す言葉。

[ 向 風見也 ]
世界一のダミアン・デアリエンディが日本で残す言葉。
クボタの選手にタックルされながらも前進しようとするダミアン・デアリエンディ(撮影:高塩 隆)


 ワールドカップ日本大会後最初の国内トップリーグには、世界トップクラスの戦士が集まっていた。

 そのひとりがパナソニックのダミアン・デアリエンディ。南アフリカ代表のCTBとして日本大会を制した28歳。身長190センチ、体重105キロの体格を豪快な突破とタックルに活かす。

「トップリーグというコンペティションを戦っていて思うのは、ここが世界でもトップクラスの大会になっているということ。その証拠に、各国の代表選手が戦っているわけです。彼らと身体をぶつけ合いながらそのレベルまで到達し、日本代表をもっともっと強くする。将来性を持った日本のラグビーを楽しみにしています」

 近鉄入りした2015年度以来となる極東のシーズンにおいても、2トライを挙げるなど存在感をアピールした。同僚でSHの小山大輝いわく「力もすごいんですけど、スキルも、すごい」。相手を引き付けながらスペースへパスを投げるといった基本の「スキル」の質も際立つ。

「ボールを持って前に出ることを意識しながら、チャンスがあればボールを離す。外側のスペースを突く」

 2月2日の東京・町田GIONスタジアムでの第4節では、前半3分に坂手淳史主将がレッドカードをもらった。ボールを持って突進した坂手の腕が相手の首より上に当たったためだ。最後はキヤノンに51-17で勝ち、大活躍のデアリエンディは主将をかばったものだ。

「あれは決してわざとではない。我々はコンタクトスポーツをしているので、起こりえることでした。ただし我々はその後、自分たちのやるべきことを再確認した。14人になったことでもともと決めていたゲームプランも変えなくてはいけない部分もありましたが、そこに適応し、いいテンポ、いいコントロールで試合を進められました」

 チームでは稲垣啓太、堀江翔太ら、ワールドカップの準々決勝で下した日本代表のメンバーとも一緒にプレーする。新型コロナウイルスの感染拡大や「コンプライアンス教育の再徹底」といった理由が重なりトップリーグは第6節限りで打ち止めとなったが、デアリエンディは以前こう述べていた。

「もちろん彼ら(日本代表勢)とラグビーの話をしますが、パナソニックのラグビーの話をします。お互いにワールドカップで相対し、我々が勝つことができましたが、それはもうワールドカップで終わった話。いまはパナソニックで優勝という目標を達成するために彼らと話していますし、私はそのために来たと思っています」

 トップリーグ側は5月下旬の日本選手権開催を目指す。世界一を獲った戦士が日本のファンの前でプレーする時は、またやって来るだろうか。

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