各国代表 2020.03.28

NZ代表、フォスター新監督も減給受け入れ。7月のテストマッチ開催も不透明

[ 編集部 ]
NZ代表、フォスター新監督も減給受け入れ。7月のテストマッチ開催も不透明
イアン・フォスター新監督。初采配はいつになるのか。(写真/Getty Images)



 エディー・ジョーンズ監督を含むイングランド協会の主要スタッフの減給が報じられたのに続き、ニュージーランドでも同様の動きが起きている。
 ワールドカップ後にオールブラックスの監督の就任したイアン・フォスター。前任のスティーブ・ハンセン監督を長く支えてきた54歳の最初の大仕事は、減給を受け入れることになるようだ。
 ESPNやAFPなど、海外メディアが報じている。

 新型コロナウイルスの感染拡大を受け、ラグビーを含むあらゆる活動が、世界規模で制限されている。
 これを受けたフォスター監督は、プロラグビーが成り立たなくなる寸前まできていると理解し、自身とコーチングスタッフの減給を進んで申し出た。
 就任して3か月。実際にチームの指揮を執る機会はまだ先も、同監督は、この状況における自分の役割を理解している。それは、代表クラスの選手たちにも、減給の可能性があることをしっかりと話すことだ。

 フォスター監督は、3月28日のNZ現地ラジオ「Radio Sport」のインタビューにこう答えた。
「コーチングスタッフ全体が、かなりの額を削ることになった。プロスポーツにとって、試合ができないのは最も深刻なダメージだ。ラグビーもハイコスト・ハイリターンの産業のひとつと言える中で、コストが先行し、リターンが得られていないのが現状。結果として、誰もが身を削らなければいけないのは明らかだ」

 スーパーラグビーの再開メドがつかず、休止となったままの現在。NZ協会は今後の経済的な対策対応について、まだ明確な発表はしていない。ただ、協会主導のプログラムの中で「仕分け」が始まっているとフォスター監督は明かす。

 同監督はオールブラックスの選手のうち数人に、協会から得る年俸の減額も不可避だろうと伝えた。
「頑張ってどうにかできる問題でないことは選手も理解している。ここまでくると、国内のラグビーの全レベルが一貫した姿勢で公正に対応することしかできない。もちろん(減額の)金額等は選手やレベルによって多様も、姿勢は揃えるべきだ。今日までに私から直接減給がありうる旨を伝えた選手は皆、話しを切り出す前にすでに状況を理解していてくれた。受け入れる準備もしていた」

 フォスター監督の減額規模がイングランドのジョーンズ監督の25パーセントという数字と比べてどうなのか、それは明らかにはなっていない。
 しかし、現在の状況が予想以上に長く続く場合は必要に応じて、さらなる減給も受け入れる姿勢を示している。

 フォスター監督は、7月にウエールズとスコットランドを迎えるホームでのテストマッチについて、現在の国境封鎖の状況から推測し、開催は困難と見ているようだ。
 3か国協会の公式な見解では、開催予定で準備を進めているとしている。
 ただ指揮官は、ラジオのインタビューで「現状とこの先行きの不透明さを考えると、6月の時点で世界的に国境間の移動が不自由なままである可能性は高い。その場合、当然のように我々オールブラックスのテストマッチも中止となる」と話した。

 また、試合開催の可能性が低い中で、選手たちに世界最高レベルのゲームフィットネスを準備させることは難しいと考えていることも口にした。選手のメンタルに大きなストレスをかけることを心配し、開催に固執することは避ける姿勢だ。
「我々スタッフとしては、選手たちが心身ともに落ち着ける状態を作らないとフィットネスレベルを試合水準に持っていくのは困難と考えている」
 チームとして試合でどう戦うか考えるのは、ロックダウン(自宅待機)が解けてからになるとも話した。

 ニュージーランド政府は、少なくとも4月末までのロックダウンを宣言している。もしスーパーラグビーが運よく再開するとしても、それは数週間後のことだ。
 そんな状況で選手がコンディションを整えることの難しさについて、クルセイダーズのサイモン・トーマスS&Cコーチは、大手ウェブメディアStuffにこう話している。
「近年のゲームレベルの向上はめざましい。その試合水準を踏まえてチームを作るとき、1週間休んだ場合は、元に戻るために同じく1週間のトレーニングが必要になる」
 休止期間が長引くと、再開のための身体的準備の時間も比例して長くなる。ウイルス感染拡大が終息したとしても、すぐに再開できるわけではないのだ。

 フォスター監督は現在の状況が解消された後に目を向け、そのときが来れば、オールブラックスとしてできるだけ試合を多く重ねられるようしたいと話す。
「世界に再び平静が訪れ、国境が解放された日には、プレーできる喜びを大いに味わうことになるだろう。特に我々を含む南半球の国はプロスポーツとしてのラグビーの経済的側面を考えて、できるだけ多く試合をしたい。今回のマイナスを取り戻すようにラグビーを盛り上げたい」


PICK UP