日本で新たな機会を。エフィトゥシ・マアフがサンウルブズ初先発で躍動。
オーストラリアはニューサウスウェールズ州。ウーロンゴンビーチ近くのWINスタジアムでは、キャンベラを拠点とするブランビーズに日本チームのサンウルブズが挑んでいた。3月6日のことだ。
この試合は本来、2日後に大阪・東大阪市花園ラグビー場で開催予定だった。しかし新型コロナウイルス感染拡大防止の観点から、日時と会場が変更された。
結局、サンウルブズは14-47で敗れた。しかしハリケーンズに15-62で敗れた2月29日の第5節(ニュージーランド・ネイピアのマクリーンパーク)までと比べ、防御システムが整備されたような。
具体的には、選手同士の間隔が適正に保たれる度合いが増した。その傾向を「FWはいい仕事をしていた」と静かに誇るのが、HOとして先発のエフィトゥシ・マアフだ。自らを含む接点の周りに立つFW陣が混乱せずに規律を保とうとした点を、収穫と見た。
「プレーはよかったと思います。そう思います。ただ、まだまだ改善できるところはある。もっとフィットしたい。もっと体力をつけないと」
2017、18年には20歳以下オーストラリア代表に選出され、2018年からは2シーズン、レッズの傘下チームでプレー。サンウルブズに加わった今季の開幕直前で、理由を聞かれれば「スーパーラグビーでプレーする機会、新しい環境を求めてきました」。まだ22歳になったばかりのフロントローは、異国のクラブでチャンスをつかもうとしている。
身長178センチ、体重108キロと決して大柄ではないが、ランナーとしてフットワークと強靭さを披露。守っても大型選手へ低い姿勢で突き刺さる。
チーフス戦で後半22分から途中出場し、以後も2戦連続でリザーブとしてプレー。初めてスタメンに入ったブランビーズ戦でもぶつかっては起き上がり、チームで2番目に多い14本のタックルを記録している。前半36分にはモールの最後尾に入り、トライを決めた。
本人が「もっと体力を…」と口にするのは、サンウルブズが各選手のポテンシャルの引き上げに注力しているからだろう。
新天地での様子を、「すごくタフで、すごく具体的な練習をするんです。ユニット、チームでしっかり時間を取っている」とマアフ。もともと2月中旬から約2週間の予定だった海外遠征が最短で3月下旬までに延びたなか、日本人スタッフの多いサンウルブズでの日々をこう捉えている。
「日本にいることはできていないですが、日本のチームや日本の文化に触れられているのが楽しいです」
3月14日のクルセイダーズとの第7節も、東京の秩父宮ラグビー場からブリスベンのサンコープスタジアムに開催場所が変わった。もっとも今度のスタジアムは、マアフが以前在籍したレッズの本拠地でもある。