国内
2012.10.06
NEC×パナソニック スクラムから世界へ
マン・オブ・ザマッチに選ばれたパナソニックのSHイーリ ニコラス
(撮影:松本かおり)
NEC対パナソニック。前年度4強以上同士の激突だ。星勘定によると、今季のベスト4でのプレーオフ進出に向けどちらも負けられぬ状況下だった。結局は、プレーの起点を牛耳った勝者が、敗者を自分たちの世界に引き込んだ。2012年10月5日、東京は秩父宮ラグビー場でのトップリーグ第5節の、それが実相だった。
まず試合開始直後。敵陣深い位置の右タッチライン際、最初のNECボールのスクラムをパナソニックが左から押し球を奪う。「向こうは1番(左PRからの)アップを狙っていた。したいことをさせてしまった」。負けたHO臼井陽亮は漏らす。続く前半16分。敵陣でのNECボールスクラムを、パナソニックは今度、右から制圧する。相手のLOに入るのは、普段はFLの村田毅。後ろから良きプッシュができなかったようだ。
布石を打って迎えた20分。後の勝利チームは、敵陣ゴール前右での自軍スクラムからSHイーリ ニコラスの先制トライを導くのだった。
以後、着実に加点しリードを守る。かねてから得意だった陣地獲得を心がけ、38−21で勝つ。今季新加入の看板CTBソニー=ビル・ウィリアムズは2アシスト、好機で跳ねた。
(文・向 風見也)