フィジオから世界王者・南ア代表の指揮官に エラスマスの右腕が昇格
ラグビーワールドカップ2019日本大会で優勝した南アフリカ代表、愛称“スプリングボックス”の新しいヘッドコーチがついに決まった。世界一に導いた前指揮官のヨハン“ラシー”・エラスマスはワールドカップ後、ヘッドコーチの座から退き、兼任していたディレクター・オブ・ラグビーの仕事に専念する意向を明らかにしていたため、後任は誰になるか注目されていたが、南アフリカラグビー協会は1月24日、アシスタントコーチ(ディフェンス担当)としてエラスマスを支えてきたジャック・ニーナバーが新ヘッドコーチに就任すると公式に発表した。
ニーナバーはエラスマスの右腕とも言われた古くからの理解者で、依然として、南ア協会の強化責任者として実践的な役割を果たすエラスマスと密接に協力していく。継続性に重点を置いた新体制となった。
ニーナバーは選手としてトップレベルでプレーした経験はなく、指揮官としての実績もない。しかし、同じ47歳で大学からの知り合いであるエラスマスは、彼がいかに勤勉で、すばらしい指導者かを知っている。
2人はフリーステート大学出身。ラグビー部では、のちに南ア代表フランカーになるエラスマスがキャプテンで、FWでもBKでも芽が出なかったニーナバーはフィジオ(理学療法士)を務めていたという。
2人の関係は20年以上になるが、ニーナバーは地元メディアのインタビューでエラスマスについて、「すばらしい戦術家であり、一緒に仕事をするには最高の人。私たちは戦術について反対意見を持つこともあるが、一貫して、チームを成功させるという同じ目的を共有している。互いにエゴを押し付けることもないので、いい関係を築くのに大いに役に立っている」と語ったことがある。
一方、エラスマスも相棒を称賛。「彼はすばらしい人間であり、ディフェンスに関する情熱、知識、労働観は最初から明らかだった。人々といい関係を作り、メッセージを明確に伝えることができる。フィジオからスプリングボックスのヘッドコーチになるなんて、なんて話だ!」と語り、後任にふさわしい人物だと太鼓判を押していた。