ジャパン組にケレビ、フェルミューレン…。 サントリー×クボタの練習試合に約2500人!
府中朝日フットボールパークのスタンドに約2500人!
1月3日の午後におこなわれたサントリー×クボタのプレシーズンマッチに、大勢のファンが訪れた。
ワールドカップで活躍した各国の代表選手たちが両チームにズラリと並んだ。トップリーグ開幕間近ということもあり質の高いプレーが随所に見られ、29-26の接戦に歓声があがった。
サントリーの先発にはSH流大共同主将、FB松島幸太朗の日本代表組に加え、オーストラリア代表CTBサム・ケレビ。後半には日本代表HO北出卓也、同スコッドにW杯直前まで帯同したCTB梶村祐介もピッチに立った。
クボタでは立川理道主将が12番に入り、FW第3列では、日本代表FLピーター・ラピース・ラブスカフニと南アフリカ代表のNO8ドウェイン・フェルミューレンが先発した。また、後半にはオールブラックスのCTBライアン・クロッティが登場した。
試合は前半から競り続けた。
先手をとったのはクボタ。反則の多かった相手陣に入り込み、前半13分、ラインアウトからのモールを押し込む。ペナルティトライで7点を先行した。
サントリーは2人がイエローカードを受け、13人で戦う時間もあった。しかし24分、WTB尾?晟也のビッグゲインからFL西川征克がインゴールへ。SOマット・ギタウのコンバージョンキックも決まり7-7。
33分にはクボタがカウンターアタックからいっきにトライを奪い(WTB白井竜馬)、前半を12-7とリードして終えた。
後半も両者とも持ち味を出し、交互にトライラインを越える展開が続いた。
前半5分、サントリーはラインアウトからチャンスをつかみ、PR石原慎太郎が抜け出してインゴールに入る。後半10分にはクボタが、その4分後にはサントリーが、ともにモールを押してトライラインを超えた。
19-19で迎えた後半20分にはクボタがスクラムから攻め、最後はWTB近藤英人が右スミに飛び込んで(コンバージョンキックも決まり)7点のリードを奪う。しかしサントリーも後半35分に竹本竜太郎のラインブレイクをサポートした梶村が走り切り、26-26と追いついた。
決着はラストシーンでついた。クボタ陣で攻め続けたサントリーが、PGを蹴り込んだ。
試合を終えたサントリーの流共同主将は、プレシーズンマッチにも関わらず大勢のファンが詰めかけたことについて「嬉しいですね」と笑顔を見せた後、「W杯後のオフを終え、自分の調子も徐々に上がっています。開幕週には完璧になっていると思います」と話した。
今季はNO8/FLのショーン・マクマーン、ギタウとともに、3人で共同主将を務める。
「自分自身は、いままでやってきたことを同じようにやりたい。その上で、今シーズンは外国人の首脳陣になりましたし、外国人選手も増えたので、3人(の主将)でチームをひとつにしていきたいと考えています」
世界的なペネトレーター、ケレビの加入については、「前へ出る力もそうですが、ラグビーに取り組む姿勢や、日本の文化を理解しようとする姿勢が素晴らしい。それを見て、学んでいきたいと思っています」と話した。
クボタの立川主将も、観客の多さについて「幸せなこと」と目尻を下げた。そして、良い仕上がりを見せるチームの状態についても、「神戸製鋼戦(12月21日/26-33)、この試合と、少しの差で負けていますが、準備段階としてはいい感じ」と手応えを感じているようだった。
自身は、昨年夏にNZへ留学した。オタゴ代表としてプレーした日々を振り返り、「ラグビーをシンプルに楽しむ、純粋な部分がよみがえった」と話す。
ワールドクラスの選手たちが加わって、心強いという。
「リーダーシップのある外国人選手たちが加わったので、任せられるところは任せられる。いいアドバイスもくれるので頼りになります。フェルミューレンは、やはり言葉に力があるので、みんなを納得させる力がある。クロッティはチームに寄り添いながら、クボタのいいところを引き出してくれる」
トップリーグの開幕は1月12日。その日、ファンのわくわく感は頂点に達する。
選手たちは、その期待に応えるべく準備を着々と進めている。