サヨナラで日体大が11年ぶりに慶大下す!
ワールドカップも終わり関東大学対抗戦が11月4日、再開した。
都内、上柚木競技場でおこなわれた2試合目。日体大が慶大を12-27と15点差の後半25分から2トライ1ゴール2PGを奪い、30-27で逆転勝ちした。日体大は1勝3敗、慶大は2勝2敗になった。
後半25分、29分とこの日、NO8に入ったハラトア・ヴァイレアが40メートルの2本のPGを成功し18-27に。「アタックはできていたので点差を縮めていく」(田沼広之監督)の声に応えた。
慶大も日体大の攻撃をしのぎ残り3分、ここでもハラトアが主役。ボールをもらうとインゴールへ運んだ(自身2トライ目)。自ら蹴ったコンバージョンは不成功(23-27)。俄然、勢いづく日体応援。最後の攻め、日体大は左ライン際を攻める。そして最後は左WTB沢村舜が左隅に飛び込んだ。28-27とサヨナラ逆転トライ。ハラトアは難しい位置のコンバージョンを決める。ここでノーサイドの笛が鳴った。
「(ワールドカップで)オフの期間、毎日毎日、ディフェンスにフォーカスして練習してきました。前半、そこが甘かった。しっかり一人一人が責任を果たそう」、CTB石田大河主将は呼びかけた。
2008年度シーズン、現在の米地徹部長がヘッドコーチ時代に24-19で勝利。以来、11年ぶりの白星に部員は歓喜をあげた。この年は対抗戦3位の成績で終えていた。
田沼監督は「きょうは日体のランニングラグビーを出すこともできた。次の青学大(11月10日)も強い相手です。しっかり準備したい」。残り3連勝すれば大学選手権出場の道も見える。ここからの巻き返しを狙う。
敗北の慶大。この日はニュージーランドからの留学生1年生2人が公式戦デビューした。NO8アイザイア・マプスアとアウトサイドCTBイサコ・エノサだ。
2人はさっそくチームをリードする。前半4分、エノサは日体ゴール前に上がったキックを取った仲間からパスを受けて右隅へ先制トライを奪った。「トライが取れて良かった」とほほ笑む。
アイザイアも8分、日体陣22メートル内のマイボールスクラムを自ら持ちだしゴールラインを越えた。しかしここは日体SH高木陽太がトライセーブで防ぐ。「TMO(ビデオ判定)があればね」と残念そうなマプスア。後半最初の得点を16分、トライで決めて借りを返した。「明大戦(10日)にフォーカスします」(エノサ)。9月に合流したばかりだがタイガージャージーを着る誇りを体現する。
『明大1年司令塔はキックで魅了』
上柚木1試合目、明大が9トライ9ゴールを奪い63-12で青学大を圧倒し4戦全勝を守った。
はつらつとしたプレーを見せたのが明大SO齊藤誉哉だ。前半3分にCTB森勇登のトライで始まった試合、さっそくコンバージョンを決める。前半5回すべてを成功する。
「(ジュニア選手権と違い)試合前の校歌を聞いたときは緊張しました」と言うが、キックには自信があった。夏合宿で「それまで力任せで蹴っていたのを『力はあるからコントロールを大事にしなさい』とアドバイスを受けました。身についてきました」。
後半も開始45秒でSH飯沼蓮がトライラインを越えると、4ゴールを決め、計9ゴール全てを成功し18得点をあげた。
指揮官、田中澄憲監督は「まだまだ」と齊藤を評する。本人も「ディフェンスやコミュニケーションなどまだまだです」と理解している。
次週、慶大戦は絶対的な司令塔、山沢京平の復帰がほぼ確定。リザーブにキックが確実な齊藤がいれば、競った展開の終盤に活きる。