オールブラックス、勝って締めくくり。重責から解放されたハンセンHC「誇らしく思っている」
「準決勝の敗戦から立ち上がり、このジャージーとファンに敬意を表するプレーをすることが大事だった」
決して望んでいなかった銅メダル。ラグビーワールドカップ3連覇の夢が潰えたニュージーランド代表“オールブラックス”は、それでも、ウェールズ代表との3位決定戦を誇りをもって戦い、40-17で快勝して大会を終えた。
2011年の自国開催ワールドカップ優勝をアシスタントコーチとして支え、その後、指揮官となり連覇を達成した名将スティーヴ・ハンセンは、8年間務めたオールブラックスのヘッドコーチを退任する。
「まず最初に、自分のチームをどんなに誇らしく思っているか言いたい。この試合をやりたくないという外野からの声がうるさかった。(準決勝で)イングランドに敗れるというものすごい失望を味わったあとだったから。その日は相手が上だったから負けたが、(今日は)カムバックして、本当のメンタルの強さと(オールプラックスの)ジャージーに対する約束をある程度示せた。たくさんの同胞の自尊心を満足させられたのならいいと思う」
2009年11月からほぼ10年間(509週連続)、世界ランキングトップに君臨していたオールブラックス。対戦相手は打倒オールブラックスに燃え、今年8月にはランキング1位の座から落ちた。最強黒衣軍と呼ばれ、世界中のファンを魅了し続けているが、ワールドカップで勝つのは難しいとハンセン ヘッドコーチは認める。
「どこのチームも良くなってきている。我々を負かすために、各チームはプレーがうまくなるように努力してきたから、やったことに長い間プライドを持つことができる。イングランドがそうだ。南アフリカも時折いい試合をする。この2チームが決勝戦に向かう。我々は彼らを追うことになる」
ワールドラグビーの年間最優秀コーチ賞に4度も輝いたことがある名将は、今大会後、トヨタ自動車ヴェルブリッツに加入することが噂されている。役職など詳細は近いうちに明らかになると思われるが、今後はヴェルブリッツの一員としてジャパンラグビートップリーグに参戦する。
そして、これからもオールブラックスを応援していく気持ちは変わらない。
「オールブラックスももっといいチームになるため努力し続けるだろう。私の場合はリッチー(・マコウ)や(キアラン・)リードといった偉大なキャプテンがいたから幸運だった。コーチ陣や経営側からも大きな支援をもらった。ひとりではできないことだ。我々の挑戦は、今後の4年間でチームを再編成してリセットすることだ」
指導者として関わってきたオールブラックスでの15年間と2度のワールドカップ制覇については、「名誉の一言だ」。