ライオンズ降格問題 新規参入待つキングスによからぬ噂
ジョン・ミッチェルHC(ヘッドコーチ)解任騒動で揺れる南アフリカのライオンズだが、今季残り試合の勝敗など気にしなくなった多くのファンにとってもっと深刻な問題は、本当に、ライオンズは来年のスーパーラグビーから脱落してしまうのかどうか、ということだ。
南アフリカ・ラグビー協会は今年1月、東ケープ州のポートエリザベスに本拠地を置く「サザン・キングス」が、2013年からスーパーラグビーに新規参入することを認めた。当初はスーパー16への拡大を狙って動いたものだが、放送局やスポンサーとの契約上、2015年末までは現在の「スーパー15」フォーマットを変えられないとの理由で、大会を統轄するSANZAR(南ア・NZ・豪州の連合組織)のグレッグ・ピータースCEOに却下された。これにより、キングス参入を認めた以上、南ア勢のどこか1チームが脱落しなければならず、2012年大会で南ア・カンファレンス最下位が確定したライオンズがその対象となっている。
しかしながら、ライオンズのケヴィン・デクラーク会長は28日、地元メディアに対し、来年もスーパーラグビー残留に自信を示したという。「舞台裏ではいろんなことが起こっている」(デクラーク会長)。
地元新聞『ディ・ブルガー』紙は、南ア協会がキングスに莫大なお金を支払い、スーパーラグビー参入をあと1年待つ協定を結んだ、という“噂”を報じた。さらに、現在国内2部リーグに属するEPキングス(サザン・キングスの母体)を来年、自動的に1部リーグへ昇格させ、今後4年間はニュージーランド代表かオーストラリア代表とのテストマッチをポートエリザベスで開催するようキングス側が求めた、との話も。
だが、キングスのダニエル“チーキー”・ワトソン会長はこれらの噂を完全否定している。真相は闇だが、どの南アチームが2013年のスーパーラグビーに参加するのかは、7月13日に開かれる南アラグビー協会の理事会で決まる予定だ。
万が一に備えて、選手の大量流出を防ぐためにライオンズはスポンサーを確保し、ほとんどの選手と2015年まで契約を更新したというが、果たして…。昨年、12年ぶりに国内最高峰選手権カリーカップを制した大都市ジョハネスバーグの古豪は、間違いなく崩壊の危機にある。
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