国内 2019.08.02

トップリーグカップ準決勝へ。王座奪還狙うサントリーの変化とは。

[ 向 風見也 ]
トップリーグカップ準決勝へ。王座奪還狙うサントリーの変化とは。
写真中央はトップリーグカップでサントリーの主将を務める右PR垣永真之介(撮影:山口高明)

 日本最高峰のトップリーグで一昨季まで2連覇のサントリーは8月4日、カップ戦の準決勝で昨季リーグ王者の神戸製鋼と対戦。前年度のトップリーグ決勝と同カードの一戦に挑む。

 チームでは3季指揮を執った沢木敬介前監督が昨季限りで辞任し、ミルトン・ヘイグ新ヘッドコーチはジョージア代表指揮のため合流前。田原耕太郎コーチングコーディネーター(CC)がカップ戦の指揮を執るなか、選手側も始動時から主体的な活動を意識してきた。

「(今季)変わったのが選手とコーチの関係性です。トップリーグカップでは選手がただ(戦術などを)与えられるだけでなく、コーチとコミュニケーションを取ってチームを作り上げています」

 こう語るのは、カップ戦の主将で日本代表経験者のPRの垣永真之介。グラウンド外では飯野晃司が音頭を取る形で、府中市内のホームグラウンドでの練習試合があった後はグラウンドの一部を開放。より密なファンサービスを心掛けている。

 ワールドカップ日本大会出場を目指すメンバーなどが全体練習から離れるなか、カップ戦のプールAでは5戦全勝。田原CCはこう話していた。

「もう、チャンピオンじゃないので、再度、強いサントリーを作りたい。そのためには勝って、選手に自信を取り戻して欲しい気持ちが強いです」

 戦術的には「もうちょっと(左右の)幅を使って、スペースを保ってアタックの判断(を下す)」と元日本代表SOの小野晃征。その言葉通り、一度の攻撃でボールを大きく動かす傾向は前体制時を上回っていそう。進境著しいSOの田村煕もうなずく。

「去年ももちろんいいラグビーをしていて、基本的にはそれをベースにしています。ただ、そのなかで『何かうまくいかないな』と思ったところについてはコーチから落とし込まれるのではなく選手同士で話し合う。選手とコーチがしっかりとコミュニケーションを取っているという意味では、選手主体になっています」

 SOのマット・ギタウ、NO8のショーン・マクマーンと、中核のポジションには元オーストラリア代表勢がずらり。勤勉さを是としてきたクラブ文化も不変だ。

 注目のセミファイナルは大阪・ヤンマーフィールド長居でおこなわれる。

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