コラム
2019.07.17
【コラム】カメラマンの目
【キーワード】高塩隆
編集者としてその取材は毎回、いつもよりも緊張して臨むことが多い。
ラグビー専門誌のインタビュー連載「解体心書」についてだ。カメラマン、高塩隆さんが撮影を担当し、モノクロ5ページのうち3ページを丸々、写真が占める。掲載する写真は3点。雑誌の性格上、他企画に比べるとインタビューとしてはかなり写真の割合が大きい。しかも1点の意味が重い。取材における準備においても、高塩さんは毎回、さまざまなイメージをふくらませ、頭を悩ませている。
難しくまた面白いのは、場の縛りだ。
取材は撮影用のスタジオなどではなく、選手の地元、クラブハウスや会議室、学内などで行われることが多い。もちろんデジタル的な処理も行うのだが、納品された写真には、あの場所で撮ったものがこうなるか、という迫力がある。写真の素人である私にはまるで魔法だ。光の当て方、影の作り方、背景への照明、レンズの選択と寄りの度合い(レンズと選手の距離)などに職人の秘訣があるのではと思いながら、いつも撮影のお手伝いをしている(毎月担当しているのではありません)。
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