早大A・Bともに摂南大を一蹴
早大は5月2日、上井草グラウンドに関東遠征中の摂南大を迎えA、Bチームが対戦した。
Aチームは前後半で12トライを奪う一方、ディフェンスも機能し72-0(前半 38-0)とゼロ封。Bチームは前半こそ競ったが(20-12)、後半、突き放し65-19で勝利した。
早大Aは先週の高麗大戦(90-5)に続き10トライ以上の猛攻となった。
前半開始直後、早大が摂南ゴール前まで迫った。摂南がボールを確保したが早大の左WTB加藤皓己がタックルでタッチライン外へ押し出しチャンスをつないだ。
相良南海夫監督は、「高麗戦でディフェンスに課題が出た。隙間を破られてビッグゲインを繰り返された。そこを修正してきた」という通り、摂南のペネトレーターである留学生のNO8タンギバ タリフォロフォラ、CTBテビタ・タイらの突破をタックルで止め続けた。
攻撃も自陣からのターンオーバーやセットプレー起点からボールをつなぎきりトライを量産した。
加藤は高麗戦で久しぶりにWTBで先発、ボールをもらうとゲインを切る場面もあり連続の先発で期待に応えた。加藤とともに函館ラ・サール高3年次に花園(全国高校大会)へ出場した沖野玄は6番FLで出場した。地味なディフェンス、ブレークダウンに体を張っていた。相良監督は「沖野は期するものがあるのでしょう」という。大学最後のシーズン、アカクロを着てピッチへ立ちたい。
Bチーム。摂南がチームとしてのまとまりを見せ後半途中まで競った。後半、摂南が1本トライを奪うも、早大が6連続トライで決めた。
Aに続き大差の敗北となった摂南の河瀬泰治総監督はため息をついた。今季は1年で復帰した関西大学Aリーグで戦う。「関東と関西の差を感じました。先週(4月21日)、近畿大にダブルスコアで勝ったのですが(45-24)、何の勉強もさせてもらえなかった」。
さらにラグビーの原点を話した。「ラグビーは集団競技っていうけれど、結局は個人。1対1で負けていた。せめて四分六分にならないと」。
河瀬氏の息子・諒介は早大2年FB、U20日本代表メンバーでオセアニアへ遠征中、親子対決はなかった。
早大B、後半にFLで岸野楓が出場した。聴覚に障害を持つ。岐阜聾学校から早大ラグビー部へ。一般部員と同じ練習をこなし試合でも仲間とコミュニケーションをひんぱんにとりながら前へ進んでいる。「岸野のポテンシャルは高い」と相良監督は試合に出し続ける考えだ。