海外 2019.05.03

ヘイデン・パーカーの悔やまれる夜。次戦は100パーセントの準備で。

[ 向 風見也 ]
ヘイデン・パーカーの悔やまれる夜。次戦は100パーセントの準備で。
ハイランダーズ戦で仲間にパスしようとするヘイデン・パーカー(撮影:山口高明)

 試合が終わるまでに、ずいぶんと時間がかかったような。時計の針を戻せるのなら、そうしたい。ヘイデン・パーカーはそう悔やんでいた。まずはこう切り出す。

「メンタル面での準備がうまくできなかったなか、自分たちのやりたいことがうまくできなかった。逆にハイランダーズがチャンスをものにしていた。すごく、長い、夜でした」

 4月26日、東京・秩父宮ラグビー場。国際リーグ、スーパーラグビーの第11節に日本のサンウルブズの先発としてフル出場も、古巣でもあるニュージーランドのハイランダーズに0-52と完封負けした。攻めては孤立したランナーが接点で球を奪われ、守ってはラック近辺または大外の穴を端的にえぐられた。

 パーカーはこの日に至るまで、日常的な習慣としてゴールキックを反復練習。しかしその成果を披露する機会は、一度も、訪れなかった。試合を動かすSOとしても「勢いをつけて前に出られれば判断が楽になりますが、きょうは前に出られず判断が難しくなった。逆に、ハイランダーズがしっかりとプレッシャーをかけてきた」と反省する。

「スーパーラグビーは長く、タフな大会です。10~15パーセントでもいい準備ができなかったら、このように点差をつけられる。たくさんのことが悔やまれる。時間を戻せるのなら戻したいくらいです。帰ってからしっかり映像を観て、直せるところは直していきたいです」

 身長175センチ、体重84キロの28歳。国内では神戸製鋼に所属するニュージーランダーは今季、サンウルブズ不動の司令塔として10戦中9戦に先発。ゴールキックの成功率は9割超を記録し、全チーム中4位の82得点を刻んできた。それだけに、スコアできずに戦い終えた夜は「たくさんのことが悔やまれる」。5月3日の第12節でも、背番号10をつけてプレーする。オーストラリアはブリスベンのサンコープ・スタジアムで、自信を持ってレッズにぶつかりたい。

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