海外 2019.04.05

観る者を興奮させたラグビーフィールドの“マシーン”、元NZ代表ダグが引退。

[ 編集部 ]
観る者を興奮させたラグビーフィールドの“マシーン”、元NZ代表ダグが引退。
多くのファンや仲間に愛されたイズラエル・ダグ(中央)。隣はキアラン・リード(Photo: Getty Images)

 ニュージーランド代表“オールブラックス”のフルバック、ウィングとして66キャップを重ね、2011年の自国開催ワールドカップでは背番号15をつけて悲願の優勝に貢献したイズラエル・ダグ(30歳)が、4月5日、現役引退を発表した。長期にわたる膝の故障により、最高レベルでトレーニングやプレーをすることができず、走り回った翌日は歩けないほどの状態だったため、医学的アドバイスを受けて引退を決意したという。

 2006年、18歳のときにホークスベイの選手としてデビュー。その4年後にはオールブラックスで初キャップを獲得した。2011年から在籍していたクルセイダーズでは通算89試合に出場し、2017年と2018年のスーパーラグビー連覇に貢献した。

 大またのステップは独特で、急加速から飛ぶように走り、ハイボールに強くてオフロードやキックのスキルも高く、“エキサイトメント・マシーン”と形容された。ニュージーランドラグビー協会のスティーヴ・チューCEOは、「彼がボールを手にしたとき、何でも起こり得ることをファンは知っていた」と振り返る。

 2015年は負傷でワールドカップスコッドから落選したが、翌年にはオールブラックスに復帰し、2019年に日本で開催される大舞台を見据えていた。
 しかしその後、膝を痛めて脳しんとうにも悩まされ、ベストパフォーマンスをできない日々が続く。何かを変えようと、自身にとって新しい環境の日本でプレーすることを決め、昨年、キヤノンイーグルスに入団。2017年9月を最後に離れていたオールブラックスへの思いは強く、「来年(2019年)のラグビーワールドカップでオールブラックスの一員として日本に戻ってくることに挑戦する前に、まずは、キヤノンイーグルスのチームメイトに早く溶け込めるようにベストを尽くし、今シーズン、チームのためにポジティブな貢献をすることができれば幸いです」とコメントしていた。が、キヤノンではわずか3試合の出場に終わり、1シーズンで退団。帰国してクルセイダーズに戻ったが、今年のスーパーラグビーでプレーすることはなかった。

「長年にわたりオールブラックス、クルセイダーズ、ホークスベイを代表したことは名誉なことであり、これまでのキャリアでそれぞれのジャージーを着てきたことを非常に誇りに思っています」とコメントしたダグ。

「キャリアの終わりを迎えることは苦い思いがしますが、まだクルセイダーズに貢献できることを心から感謝し、若いメンバーが次のステップに進めるよう助けたいと思っています。個人的には、将来新しいことに挑戦することを楽しみにしており、若い家族ともっと多くの時間を過ごせることを楽しみにしています」

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